健康果実と呼ばれるほど高い、びわの栄養価
びわは栄養が詰まっていて、健康果実と呼ばれることもあるほどです。昔からびわの木には薬効があると言われていて、3000年前のインドの古い仏典では「大薬王樹(だいやくおうじゅ)」という名で登場するほど。日本でも、江戸時代から漢方薬や民間療法として使われてきたそうです。そんな、昔から健康のために重宝されてきたびわにはどんな栄養があるのでしょうか。
β-カロテンとβ-クリプトキサンチンが豊富
強い抗酸化作用があり、活性酸素の発生を抑えて取りのぞく働きがあるβ-カロテンが豊富です。肌に潤いを与えるなど、アンチエイジング効果が期待できます。また、β-クリプトキサンチンは、内臓脂肪低減や美肌に効果があるという研究結果があります。
ほかにも、余分なナトリウムを体外に排出して、摂り過ぎた塩分を調節する働きのあるカリウムや、抗酸化作用の高いポリフェノールも多く含んでいます。
びわは葉にも栄養がたっぷり!
びわの葉は昔から腰痛や腹痛など、幹部に当てると痛みに効くと、民間療法に利用されてきました。びわの葉茶などが販売されていますが、これはシミのもとを抑えたり、肌のハリを保つコラーゲンの生成を促進したり、ニキビ予防につながる抗菌作用があるそうです。
びわの種には毒がある
うれしい栄養素を多く含むびわですが、あんずの種などと同じ、アミグダリンやプルナシンという青酸を含む有害な天然のシアン化合物が含まれています。体に毒となる物質なので、ジュースやスムージーを作るときには、ミキサーなどで一緒に粉砕しないように注意しましょう。
ちなみに、近年では千葉県産の種無しびわも販売されるようになりました。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ