要求吠えは徹底して無視を!
要求吠えという吠え方もあります。子犬の頃に「ワン!」と一声鳴いたら、それを周りの人たちが「かわいい」と言って頭を撫でたりおやつをあげたりしてかまった。それを犬が覚えていて、おやつが欲しいときやかまってもらいたいときに吠えるクセがついてしまうといったケースです。吠え方がエスカレートしやすいのも、要求吠えの特徴だといいます。
「要求吠えは無視をするに限ります。吠えても要求は通らない、おやつをもらえたり、かまってもらえたりしないんだと犬に認識を改めさせることが大切です。簡単には改まらず、犬は一時的に余計に大きな声で吠えたり長く吠え続けたりしますが、飼い主さんは途中で態度を変えたりしないで、無視を続けるのがポイントです」
吠えてから注意するより先手必勝スタイルで
警戒吠えは、吠える前におやつなどで対策。不安吠えは身体に触れながら安心させる。興奮吠えはオスワリなどで落ち着かせる。要求吠えは無視。ということは、吠えたのを叱ってやめさせるやり方はよくないのでしょうか?
「吠えてから叱るのも決して間違いではないですよ。ただ、犬は群れの仲間(飼い主さんやその家族)と意思の疎通をするために吠えているだけで、人間を困らせる意図はないので、吠えること=ダメなことと教え込むのはかなり難しいと思います。
吠える、怒られるという2点が線で結ばれたとしても、ムダ吠えはしばしば起こる。犬にしたら『だって必要があって吠えてるし!』という気分なのかもしれません。だったら、そもそも犬が吠えたくならない、吠える必要を感じないという状態に持っていくほうが、お互いにハッピーではないでしょうか」
◆教えてくれたのは:獣医師・山本昌彦さん
獣医師。アニコム先進医療研究所(本社・東京都新宿区)病院運営部長。東京農工大学獣医学科卒業(獣医内科学研究室)。動物病院、アクサ損害保険勤務を経て、現職へ従事。https://www.anicom-sompo.co.jp/
取材・文/赤坂麻実
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