熱中症には漢方治療もおすすめ
熱中症予防や発症したときは、漢方薬で対処することもできます。熱中症に対しては、体にこもった熱を冷やしたり、発汗で過剰に水分を失うのを防いだりする漢方薬や、胃腸の消化・吸収機能をよくすることで栄養や水分の吸収を促すなど、体のなかから元気をつくる生薬を含むものを用います。
漢方薬は繰り返す不調に対して、根本から体質を改善することを目的とするので、栄養を補ったり、体の水分保持力を高めたりすることで、不調の治癒だけでなく、夏の暑さによる疲労やストレス、渇きに負けない体づくりも目指します。
熱中症におすすめの漢方薬2つ
・清暑益気湯(せいしょえっきとう)
胃の働きを高めて気を増やす働きと、体にうるおいを与えて体の熱を冷ます働きがあります。暑さによる食欲不振や疲労倦怠感、夏痩せに用いられます。
・白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)
体内の熱を冷まし、組織を潤す働きによって、喉の渇きやほてりに用いられます。
漢方薬を始めるときの注意点
漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
普段の食事から熱中症予防
熱中症の予防には食事でビタミン・ミネラルを摂ることに加え、十分に睡眠をとり、適度に体を動かすといった生活習慣の改善も有効です。
◆教えてくれたのは:管理栄養士・小原水月さん
おはら・みづき。管理栄養士。ダイエット合宿所、特定保健検診の業務に携わりのべ600人以上の食事と生活習慣をサポート。自身が漢方薬を使用して体調回復した経験から、栄養学と漢方を合わせたサポートを得意とする。あんしん漢方(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)などで執筆中。