アクの強いキャラクターたちを役者陣が等身大で体現
この物語を構成するのがアクの強いキャラクターたち。吉田作品には毎度さまざまな個性的な人物が登場しますが、今作もやはりそう。クセモノばかりです。そしてこれらを等身大で体現することのできる俳優たちのキャスティングがなされています。
優里を演じる岸井さんといえば、いま大注目の若手俳優の一人。今年もいくつもの出演作が公開され、大切な人の死と対峙する女性の役から、両耳が聞こえないプロボクサーの役まで、さまざまなタイプの監督の下で演じています。
この2022年、彼女は自身の演技者としての幅の広さを世に知らしめているわけです。その中でも一際目立つのが今回のYouTuber役。一人の無邪気な女性がひょんなことから人気者となり、かつて自分に尽くした人間を足蹴にするようになるまでの変化を軽快に演じています。
さらに、若葉さんが田母神の同僚である姑息な男を演じているほか、吉村界人さんと淡梨さんが過激で軽薄なYouTuberコンビに扮し、優里を人気者へと引き上げるデザイナー役に柳俊太郎さんが配されています。
どのキャラクターも見ていて虫酸が走るものばかり…。この中心に立つのが、「神」のような田母神を演じるムロさんなのです。