女性ホルモンの調整には漢方薬もおすすめ
また、自然の生薬を組み合わせて作られる漢方薬は西洋薬よりも副作用が少なく、ホルモンバランスの乱れによる不調の改善に高い効果が期待できます。
女性ホルモンの乱れには、血管を拡張したり、血流を改善させたり、自律神経を整える漢方薬を選びます。血流の促進によって冷えのぼせを解消し、全身に栄養と酸素が運ばれることで、疲労倦怠感の改善にはたらきます。さらに、自律神経が整うことにより、ストレスによるイライラや落ち込みなどが軽減されるほか、ホットフラッシュの改善も期待できるのです。
ホルモンバランスを整えるのにおすすめの漢方薬2つ
・加味逍遙散(かみしょうようさん)
通常の生活がままならないような、体力があまりない人向けの漢方薬です。のぼせや発汗、イライラ、不安など、さまざまな心身の不調に用いられます。
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
体力があり、比較的赤ら顔になりやすい人向けの漢方薬です。血流を改善する作用があり、月経困難、生理不順、更年期障害などに用いられます。
漢方薬を始めるときの注意点
漢方薬は繰り返す不調に対して、根本からの改善が期待できる薬です。そのため、食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。
ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
楽しい夏は食事で作る
加齢によるホルモンバランスの乱れは避けられないものですが、食事で土台が整えられていると症状が軽くなったり、スムーズに改善できたりします。蒸し暑い日本の夏を楽しく過ごすためにも、普段の食事を見直してみましょう。
◆教えてくれたのは:管理栄養士・小原水月さん
おはら・みづき。管理栄養士。ダイエット合宿所、特定保健検診の業務に携わりのべ600人以上の食事と生活習慣をサポート。自身が漢方薬を使用して体調回復した経験から、栄養学と漢方を合わせたサポートを得意とする。あんしん漢方(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)などで執筆中。