ワクワクするものを着たほうが楽しい
西さんは「“ファッションは若者のもの”だなんて思わずに、50代こそ“攻めのおしゃれ”を楽しんでほしい」と語気を強くする。
「確かに50代は、おしゃれ迷子になりやすい年代。体形が変化して似合うものが少なくなったと感じるかもしれないけれど、だからって『無難にベージュ、グレーを着ていればいいや』と適当に服を選ぶのはもったいないこと。80歳まであと30年、100歳までなら50年過ごすことを考えたら、ワクワクするものを着たほうが楽しいに決まってる!
食事だって、お腹いっぱいになればなんでもいいと適当に選ぶより、おいしいものをいろいろ食べたいじゃない。お行儀よくて便利な服ばかり着ないで、好きな色やデザインの服を選んでほしいですね」
あなどれないファッションや色のパワー
かくいう西さん自身、ある時期、黒やネイビーなど暗い色の服だけを着て2年間過ごしたことがあるという。
「それまであらゆる服を着たので、ファッションを達観した気分になって、スタイリストらしく見える黒やネイビーのモードな服ばかりを着ていたの。そうしたら、だんだんと生きる気力が無くなって、やる気が出なくなってしまった。『これではいけない!』と反省して、再びカラフルな服や元気が出るデザインの服を着るようにしたら、たちまちパワーがよみがえったのよ」
そして、気づいたことがあったそうだ。
「『精神はまず服から入る』、これがそのときに得た教訓です。毎日着ている服には思っている以上の力が宿っています。色は元気をくれるから、テンションが上るカラフルな服にチャレンジすると『まだいける!』というパワーがわいてきますよ」