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夫を良き“家事のパートナー”にする心得「初期型の食洗機と思うべし」「一緒にはやらずリーダーとして任せる」

夫婦
夫を良き“家事のパートナー”にする心得とは?(Ph/イメージマート)
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夫が家事をやってくれるけど、やり方の違いでストレスに…。そんな悩みを持つ妻は多いでしょう。そこで、ベストセラー『夫のトリセツ』(講談社)の著者で脳科学・人工知能(AI)研究者の黒川伊保子さんに、夫をよき“家事のパートナー”にするための心得や秘訣を教えていただきました。

【相談】
子供が一人暮らしを始め、夫と2人だけの生活になったことをきっかけに、夫が家事をやってくれるようになりました。ですが、食器の洗い残しがあったり、洗濯物がいびつに畳まれていたりと、作業の雑な部分が気になり、逆にストレスになっています。手伝ってくれること自体はすごくうれしいのですが、どうすればよいでしょうか。(49歳・主婦)

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「今日の“できてない”」に目をつぶり、「今日の“できたこと”」に感謝を

残念ながら、これが、他人に仕事を任せるということなのです。

その家の主婦以上に、その家の家事を完璧にこなせる人はいないはず。だとしたら、主婦には、かならず粗が見えてしまうもの。その粗とどう付き合うかが、「家事のパートナー」育ての肝となります。夫のみならず、息子のお嫁さんだって同じこと。将来、身体が動きづらくなって、他の誰かに家事をやってもらうときだって、同じ葛藤があるかもしれません。

まず、いったんは、「今日の“できてない”」に目をつぶること。つらいでしょうが、第一歩はそこからです。そして、「今日の“できたこと”」に感謝しつつ、少しずつ、ステップアップしてもらいます。

なお、家族を家事に巻き込む時には、「専門職」から始めてください。あらゆることに手を出させると、収拾がつかなくなります。

夫は初期型の食洗器のようなもの、自分が仕上げをするつもりで

わが家が最初に食洗器を導入したのは、1996年頃だったと記憶しています。まだ、食洗器が珍しい時代でした。今の食洗器よりも、洗い残し率が高かったように思います。

家事する夫婦
夫は初期型食洗機?(Ph/イメージマート)
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わが家は、私より夫のほうが几帳面で、食洗器に食器を入れるのに、わざわざ洗剤を使って軽く食器を洗ってから入れる癖がありました。

私は、何度も、「そのまま食洗器に入れて。食洗器を導入した一番の理由は、節水なんだから。そんなに水をじゃぁじゃぁ流して洗っていたら、節水の意味がない」と言うのですが、彼は下洗いを止められない。たまに洗い残しがあるのが、気になって仕方がない、と言うのです。

そこで、私はこう言いました。「食洗器はアメリカで誕生したものでしょう? だったら、使うときは、アメリカ人にならなきゃ。つまり、多少の洗い残しは洗いなおせばいい、くらいの気持ちで、ど~んと構えなきゃ」(アメリカ人が、そういう合理性の持ち主かどうかは定かではありませんが、私たち夫婦には、そんなイメージがありましたので)。

食洗器から、食器棚に移すときに、気になったら、再度洗えばいい。最初に完璧を期して、下洗いをしてから入れるのなら、食洗器の意味がない。そういう合理性がなかったら、初期型の食洗器は導入してもストレスになるだけでした。

「できなかった」ことは「やり直せばいい」くらいの気持ちで

結婚して何十年も家事をしてこなかった一般的な夫は、「初期型の食洗器」のようなもの。やらせてみて、「できなかった」ことは「やり直せばいい」くらいの気持ちでど~んと構えないと、始まりません。

洗い残しも、斜め畳みも、やり直せばいいだけのこと。なぜ、そんなに目くじらを立てるのでしょう?

人に家事を任せるとき、任せたら完了だと思うから、不完全な部分が「手戻り」になって腹が立つ。人に家事を任せるときは、「自分が仕上げをする」つもりで任せます。そうすれば、不完全な部分が“想定内”なので、腹が立ちません。

その心の余裕で、少しずつ、こちらの要望を伝えていけばいいのです。