汗がつきものの夏は、肌トラブルに悩む人も多い季節です。そこで、医師で薬剤師の金城里美さんに、なぜ汗で肌トラブルが起こるのか、また、肌トラブルの予防につながる食材や漢方薬を教えてもらいました。
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汗による肌トラブル! 症状と原因をチェック
汗は困りものというイメージがある一方、蒸発するときに体内の熱を取り去って体温を調節してくれる働きもあります。本来、体に必要な機能ですが、なぜ肌トラブルが起こってしまうのでしょうか?
あせも
汗は肌にある汗管(かんかん)という器官から排出されます。大量に汗をかき、汗管(かんかん)から汗がスムーズに排出できなくなると、汗管が詰まって肌内部に汗がたまってしまうことがあります。肌内部にたまった汗は炎症やかゆみを引き起こします。それがいわゆる「あせも(汗疹)」です。
あせもは、首、ひざ・ひじの裏、脇の下など、汗が多く出やすいところによくでき、かゆみのある赤いぶつぶつが発生するのが特徴です。
かぶれ
汗には塩分やアンモニアなどの成分が少量含まれています。このような汗の成分が肌に刺激を与えることで肌がかぶれてしまうことがあります。それがいわゆる「汗かぶれ(汗による接触皮膚炎)」です。汗をかいた部位が全体的に赤くなり、かゆみを伴うのが特徴です。
湿疹
あせもやかぶれを繰り返すうちに赤みやかゆみをともなう湿疹となり、症状が慢性化してしまうことがあります。また、汗によってふやけた肌に衣服がこすれて慢性化することもあります。慢性化してしまうと治りにくくなり、跡も残りやすくなるため、汗をかく時期になったら予防と対策をすることが大切です。
汗による肌トラブルを予防! 夏の肌を守るおすすめ栄養素&食材
汗による肌トラブルを内側から予防するには、肌の健康を保つ食べ物やターンオーバーを促す食べ物を取り入れることが有効です。
たんぱく質
肌を構成する主成分はたんぱく質です。肌の弾力を保つコラーゲンもたんぱく質でできています。そのため、たんぱく質を摂ることは健康な肌を保つためには欠かせません。
たんぱく質は20種類のアミノ酸からできており、そのうち9種類は体内で作ることができないため(必須アミノ酸)、食事からの摂取が不可欠になります。たんぱく質は肉、魚、卵、乳製品、大豆・大豆製品などに多く含まれています。
ビタミンC
肌によいとされるビタミン類のなかでも、ビタミンCは肌のターンオーバー(肌の代謝)を正常化させる働きや、肌のメラニン色素の合成を抑えて肌の色素沈着やシミを改善させる働き、コラーゲンの合成を助ける働きなどがあるといわれています。
ビタミンCは、ブロッコリー、パプリカ、ほうれん草などの野菜類や、キウイ、レモン、いちご、オレンジなどの果物類に多く含まれています。
亜鉛
亜鉛は細胞の増殖や分裂を助ける働きがあり、肌の正常なターンオーバーに必要な成分です。また、亜鉛が不足すると肌の湿疹やかゆみが起こりやすくなるといわれています。
亜鉛は、牡蠣、ほたて、たらこ、肉類(牛、豚、鶏)、卵、牛乳、チーズ、納豆、ナッツ類など、多くの食材に含まれています。そのため、通常の食生活では不足することはあまりありません。しかし、動物性の食品をあまり摂らない人、加工食品やレトルト食品をメインに食べている人など、食事のバランスに偏りがある場合は不足することがあるので注意が必要です。