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【65歳オバ記者 介護のリアル】介護中に私を救ったのはスマホゲームと鉄旅だった

海外旅行に行くといつも父ちゃんにバレた

不思議なことがある。私が内緒で海外旅行に出かけようとすると、なぜか義父ちゃんにバレるのよ。晩年、私に電話をかけてくるのは耳の遠い母ちゃんではなくてもっぱら義父ちゃんだったの。今の季節なら、「どした? 今週の土日に泊まりがけで東京に米持って行ぐべが?」と必ずよ。

その時に断ったりすると面倒なことが起きるから、事前に「○日から仕事で出張だから東京にいねえからな」とさりげなく言ったつもりなのに、「外国か?」とすかさずよ。

本当に国内出張の時は「ああ、そうか」でスルーなのに、なんで年に一度くらいしか行かない海外旅行がわかるのか。本当に不思議だった。

お土産のスカーフを大事にしていた母ちゃん
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で、私がなんで海外旅行を親に内緒にするかというと、「金もねえのに遊び歩いて」と小言を言われるからよ。

この小言がまた微妙でね。母ちゃんは私が海外から買ってきたスカーフを死ぬまで離さなかったし、それを褒められると「これが? おらじの道楽娘が外国で買ってくんだっぺな」と自慢していたの。

両親と「青春18きっぷ」で鉄旅の思い出

そんなこんなを思いながら、今また「大人の休日倶楽部パス」でJR東日本をうろついているんだけど、そういえば車でばかり移動していた両親と「青春18きっぷ」で鉄旅をしたことがある。熱海駅で初めて手の届きそうな近距離で新幹線が走り去るのを見た時の義父ちゃんの驚いた顔! あの時はまだ母ちゃんも駅の階段を上り下りできたんだっけ。

オバ記者
両親との旅の思い出も鉄旅だった
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「しっかし、なんでこんな風来坊になったがよなぁ」

そう言って身の落ち着かない私を母ちゃんは最後まで嘆いていたけど、反面、羨ましそうでもあってね。

「おめが男だったら日本中を股にかげだっぺ(かけた)と、よくじい様に言われたっけな」と、これは晩年、何回も言っていたっけ。ああ、また旅に出たくなったわ。

◆ライター・オバ記者(野原広子)

オバ記者イラスト
オバ記者ことライターの野原広子
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1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

 

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