「老化のスピードをゆるやかにする『スローエイジング』に取り組むことで、楽しく、美しく年齢を重ねることができます」──『お医者さんが教える老けない習慣』(三空出版)の著者で医師の糸井由里恵さんはそう言います。糸井さんに、見る人に不健康な印象を与え、老け顔に見せてしまう目の下のクマやくすみについて、その原因や対処法を聞きました。
目の下のクマ3種類とそれぞれの対策法
目の下のクマには、「青クマ」「茶クマ」「影クマ(黒クマ)」の3種類があります。対処法はそれぞれ異なりますが、目の下のクマとくすみをなくすことで、顔色がパッと明るくなり若々しい印象になるといいます。
血行不良からくる「青クマ」
「目の下がうっすらと青黒く見える『青クマ』は、大人から子供までできるのが特徴です。疲れやストレスなどのさまざまな原因により、目のまわりが血行不良を起こすと青クマが出てきます。青クマが出たら、まずは生活を見直しましょう。十分な睡眠がとれているか、疲労の蓄積がないかなど、根本の原因をできるだけ取り除くことが大切です」(糸井さん・以下同)
青クマが気になる人は、蒸しタオルで目元を温めます。
「血行を促すケアが青クマ解消には最適です。手で持てる温度のタオルで10分ほど目元を温めて、最後にクリームで保湿しましょう」
色素沈着で起こる「茶クマ」
「『茶クマ』は紫外線や摩擦によってメラニンが蓄積され、皮膚そのものが色素沈着を起こしてしまった状態です。しっかりアイメイクをする習慣のある人に見られることが多く、クレンジングで皮膚の薄い目の周りをこすることで肌にダメージを与えているのです。
茶クマの対処法は、改善されるまでアイメイクを控えめにすること、基本のスキンケアを正しく行うことです。ビタミンC誘導体配合のアイクリームや美容液などで目元の保湿を心がけましょう」
たるみが原因の「影クマ(黒クマ)」
「鏡の前で上を向いたとき、クマが目立たなくなるようなら『影クマ』です。皮膚の色は他の場所と変わらないものの、正面を向いたときに目の下のたるみが影になることで黒っぽく見えます。
その原因の多くは、加齢とともに眼球を支えている靭帯がゆるみ、眼球を覆っている眼窩脂肪が前方にせり出してしまうことにあります」
影クマの対処法は、UVケアや保湿ケアを心がけて肌のハリを保つこと。加齢とともに症状が目立つので、気づいたら早めのケアが必要とされます。
「セルフケアで改善しないようなら、美容クリニックでまぶたの裏側から脂肪を取る治療もあります」