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「卵巣がん疑い」65歳オバ記者がついに手術 手術室入り、麻酔から目を開けた瞬間、そして医師が告げたのは…

卵巣がんじゃなくて良かった

その晴れやかな顔を見たら、ほんとに卵巣がんじゃなくて良かったと、そう思った次の瞬間、また意識が遠のいた。足首にはマッサージ器かはめられ、あらゆるところに管が通されていた当日のことはもちろん、「さぁ、歩きましょう」と体を起こされた翌日も自分の開腹の傷をチラッと見た3日目も、記憶はみんな断片でしかないんだよね。

オバ記者
卵巣がんじゃないことが分かってからの病院生活があまり思い出せない
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その中で、日を追うごとにきつくなったのは食事タイムよ。手術の前日から手術3日目の夜までキッチリ4日間、ガスが出るまで絶食だもの。

食べろと言われても体が受け付けないのは百も承知。だけど日に3度、同室の人に運ばれたメニューが私の鼻に襲いかかるんだわ。みんなが食事を楽しんでいるときにのけものになったことが昔、あったんだね。どんどんいじけて意固地になって、どーせ私なんか、どーせ、どーせ、どーせ! ああ、うるさい!

痛みがあると悩みや世の中のことがどうでもよくなる

そんな声が、重湯が出された日の朝から聞こえなくなったんだから現金だよね。あ、卵巣がんと境界悪性腫瘍の違いは、私の中ではかけていたがん保険が降りるか降りないかの違い。医学界で境界悪性腫瘍は、「同じがんの教科書に載ってますけど」とE先生はおっしゃったけれど、私が加入している保険会社ではがんと認めてないらしい。

オバ記者
手術後の病院食
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そんなことも体に痛いところかあるとどうでもよくて、ついでに言えば世の中のことも、悩みの数々もどうでもよくなるのよね。きっとこれは私だけじゃなくてみんなそうだと思う。

痛み、最強だわ!

オバ記者
病室内から。遠くに見えるのはスカイツリー
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◆ライター・オバ記者(野原広子)

オバ記者イラスト
オバ記者ことライターの野原広子
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1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

【319】65歳オバ記者「卵巣がん疑い」に 検査から告知、手術直前までをレポート

【318】『あさイチ』出演、「母ちゃんに見せたかったか?」と聞かれて思い出した介護中のこと

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