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65歳オバ記者「卵巣がん疑い」に 検査から告知、手術直前までをレポート

オバ記者
手術を受けることになったオバ記者
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日本人の2人に1人が罹患すると言われている「がん」。本人いわくまさかの「がん疑い」という診断を受けた、ライター歴40年を超えるベテラン、オバ記者こと野原広子(65歳)。どう診断され、どう告知を受けたのか――。手術直前までの様子をレポートします。

* * *

ある朝起きたら下腹がボーンと

あと数時間後には全身麻酔をされ、外科医に身を任せる私。つい先日、出演したNHKの『あさイチ』で笑っていたのに、何が起きた!?って、まぁ、聞いてちょうだいな。

実は母ちゃんを見送った今年の春から私の体調がイマイチだったんだよね。仕事と旅はしていたけど、お酒を飲むと心臓がぱくぱく。5月末には2度目の心房細動の発作を起こしたりして。

オバ記者
『あさイチ』本番前のメイクルームにて
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だけど私が「ヤバくね?」とベッドから跳ね起きたのは心臓じゃない。ある朝起きたら下腹がボーンと張り出していたのよ。太ったとかそういうレベルじゃない。まるでカエル。それが日に日に大きくなる気がするの。

もう、心配も限界、で、区の検診を受けて、「婦人科の専門病院へ行ってください」と言われ、さぁ、それからよ。今日まで、私の周りの女たちが「あれだけはしたくない」と言う子宮体がん検査もしたし、亡くなった母ちゃんが「死んでもやりたくね」と言っていた大腸の内視鏡検査も受けた。

「大学病院で診てもらってください」

それで体得した患者心得は、検査機を前にしたら思考停止。即時、物体になること!体からスルッと抜け出して、いわば幽体離脱だね。これがいちばん心身のダメージがなくて、検査の数をこなせるよ。

で、いろいろと検査をしたところ、その段階の担当医の見立ては「ステージ1Aの卵巣がん」。そうなるまでに、「閉経後の卵巣の腫れの9割は良性」とかいうネット情報や、最初に診てくれた婦人科医の「7、3で良性」を信じて、「まぁ、今すぐ心配はないだろう」と勝手に結論づけたわけ。

それでも婦人科医は、「ちゃんと大学病院で診てもらってください」と紹介状を書いてくれて、丸いドームの中でやかましい音を聴かされるMRI検査の予約を入れてくれたりと、なんだか慌ただしい。

検査、検査のあげく言われた「がん」

そして大学病院に行ったら、検査、検査のあげく、あっさりと「がん、ですね」だって。「今、がんって言いました?」と慌てて聞きかえしたら、「はい、おそらくはがんです」って、重みがあるんだか、ないんだかわからない言い方で”宣告”されたの。

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医者から宣告された病名は「がん」
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「しゃ、じゃ、ステージは?」と聞いたら、ひと区切りつけて、「ステージ1、でしょうね」と言う。もちろん、この段階では断定できないから「がんの疑い」ってことになるけど。でも、がんだとしても初期も初期ってことよ。これですっかり気をゆるめた私がバカだった。

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