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【65歳オバ記者 介護のリアル】『あさイチ』出演、「母ちゃんに見せたかったか?」と聞かれて思い出した介護中のこと

オバ記者
先日NHK「あさイチ」に出演したオバ記者。母ちゃんのお墓の前で1枚
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NHK朝の情報番組『あさイチ』から「まさかのオファー」がきて、ダイエットを特集する回に生出演したオバ記者ことライターの野原広子(65歳)。周囲では大きな反響があったといいますが、思い出したのは昨年、茨城の実家で介護し、最終的には病院で看取った母親のことでした。オバ記者が、国民的番組への出演、“その後の話”について綴ります。

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『あさイチ』出演、母ちゃんがいたら喜んだか

NHK『あさイチ』からお声がかかり、自称“ダイエット失敗の権威”として出演して必死でニコニコしてペラペラ話した一部始終を前回書いたら、私の過去の連載記事の中でいちばんのPV数だったそうな。

出演はしばらく前から決まっていて仕事仲間にはすぐに話したけど、友だちに告知するタイミングが難しい。前もって言って、「わぁ、どんな服を着るの?」「で、何話すの?」と騒がれたら、ただでさえびびっているのに、どれだけのプレッシャーがかかるか。

オバ記者
出演前、ドキドキしながらメイクをしてもらう
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なので、いよいよ明日は全国に流れる、という日になって覚悟を決めていっせいに告知したわけ。そしたら案の定、幼なじみのひとりがから、

「おばさんが生きているときに見せてやりだかったって思わねが?」と言われたの。

こればかりはどうなるもんじゃないけれど、うーん、どうだろう。母ちゃんはテレビ画面に映った私を見て、そりゃあ、喜んだと思うよ。近所の年寄り友だちに「大したもんだなやぁ~」とはやし立てられたらどんな顔をするか、目に浮かぶよう。

だけどなぁ、と思うんだよね。無学な母ちゃんは「全国放送」とか「全国誌」がまったくイメージできないのよね。

オバ記者のお母さん
ライターになると言ったときは「マジメに働け」と怒った
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頭の中にあるのは茨城の自分が住んでいる町とその周辺の町。そこからピョンと飛んで、私と自分の妹が住んでいる東京。

だからどうだということもないけれど、私が東京で何をしているか、まるで理解しない親を寂しいなと思ったことは何度もあった。そんなとき母ちゃんが何と言うかもわかっている。

「おら、バガだが、しゃんめな(私は馬鹿なんだから仕方ないでしょ)」

二度目のお彼岸、朝は土砂降りだったのに…

早い話、開き直るわけよ。昨年の今頃、母ちゃんはほとんど寝たきりの状態で病院から自宅に帰ってきて、あっという間に元気になった。デイサービスに行き始めるとさらに絶好調。朝、「おら、行ぐのヤだって言ってっぺよ」とゴネるから、「昨日、あれだけ事情を話したっぺな。私も母ちゃんがいねー間に仕事しねーど、おまんま食えねーんだよ」と訴えたら、「そうたごど、オラ、バガだがわがんね」とこうよ

何かと言えば、「おら、バガだが、しゃんめな」が出て、そのたび私は腹を立てていた。その母ちゃんが3月初旬に亡くなって、二度目のお彼岸がきた。

お蕎麦
二度目のお彼岸。墓参りの前にみんなで『そばの館 えん野』へ
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朝は台風の余波で土砂降りだったのに、弟が最近よく行く協和町(茨城県)の『そばの館 えん野』でいい感じの田舎そばをけんちん汁でつけて食べたあと、お墓に近づくにつれて、もう、これだよ!

オバ記者
土砂降りだったのに晴れた
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ウソみたいに雲が流れ出して、墓前に線香を手向けるころには青空までのぞきだしたではないの。

オバ記者の母親
空から母ちゃんが晴れパワーを送ってくれたおかげか?
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「ったく、相変わらず調子のいい婆さまだよ。葬式だの墓まいりで雨降られたことねぇもんな」と、死んでもまだグチが出る私。

同時に心のどこかで母ちゃんとご先祖さま一同が空の上からパワーを送ってくれているのかも、なんてね。南無阿弥陀仏!

◆ライター・オバ記者(野原広子)

オバ記者イラスト
オバ記者ことライターの野原広子
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1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

【317】65歳オバ記者がまさかの『あさイチ』出演 スタジオで見た人気番組の舞台裏

【316】介護中に知った母ちゃんの思い 姑を老人ホームに入れたことを悔やんでいた

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