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デビュー50周年!郷ひろみはアッパーソングの第一人者であると同時に、類まれなる「哀愁の表現者」である

土屋太鳳との紅白名ステージ『言えないよ』

さて、郷ひろみさんといえば紅白歌合戦の常連である。毎回楽しみだが、特に思い出深いのが、郷さんが55歳、節目のGOGO イヤーだった2010年(第61回)。壮大なバラード『愛してる』からの、「みんなのうた」で人気だった『僕らのヒーロー』、そして息継ぎする暇もない爆走アッパーチューン『男願Groove!』という圧巻のメドレー! これは目が離せなかった。それまで紅白にあまり興味を示していなかった甥っ子が、「良かった〜」と呟いたことを覚えている。

近年の紅白でのパフォーマンスは圧巻(写真は2019年、Ph/SHOGAKUKAN)
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2016年(第67回)の、土屋太鳳さんのダンスに乗せしっとりと歌い上げた『言えないよ』も素晴らしかった。男性と精霊との恋愛をこっそり見た感覚になったものだ。ああいうエモーショナルな演出を、また1曲ガッツリ見たい! トップバッターも素敵だが、トリに聴きたいアーティストの一人でもある。

名曲も数多い(写真は2007年、Ph/SHOGAKUKAN)
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何せキャリアは半世紀。ディスコグラフィーは名曲タイフーン状態だ。あの曲も聴きたいし、この曲も聴きたいし。くっ、いろいろ悩まし過ぎる。

大人の恋愛を歌い続ける(写真は2022年、Ph/SHOGAKUKAN)
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その愛らしいルックスと個性的な声ゆえに、実力を正当に評価されなかった時期もあっただろう郷ひろみさん。そこを見事乗り超えた今の輝きが、ダイヤモンドで出来たミラーボール級なのは言わずもがな。

今から年末の紅白に思いを馳せずとも、秋の空は、郷ひろみの哀愁ソングととても仲良しである。さあ、今日も夕方赤く染まる街を眺めつつ『若さのカタルシス』を聴くか……。

◆ライター・田中稲

田中稲
ライター・田中稲さん
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1969年生まれ。昭和歌謡・ドラマ、アイドル、世代研究を中心に執筆している。著書に『昭和歌謡 出る単 1008語』(誠文堂新光社)、『そろそろ日本の全世代についてまとめておこうか。』(青月社)がある。大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し、『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。他、ネットメディアへの寄稿多数。現在、CREA WEBで「勝手に再ブーム」を連載中。https://twitter.com/ine_tanaka

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