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50代からの“アクティブひとり旅”のすすめ!旅行ジャーナリストが計画のヒント&おすすめ宿を紹介

村田和子さん
旅行ジャーナリストの村田和子さんがアクティブなひとり旅のヒント&おすすめの宿情報を紹介!
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1が並ぶ11月11日は、中国では“シングルデー”と言われ、セールなどで賑わうそうですが、日本でも、旅行会社のクラブツーリズムが「ひとり旅の日」として申請・認定されています。今回はそんな“シングルデー”にちなんで日本ならではのひとり旅の情報を紹介。観光メインのアクティブなひとり旅のヒントやおすすめの宿情報を、旅行ジャーナリストの村田和子さんがお届けします。

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仲間や家族と旅をして絆を深める旅もいいけれど、旅先をじっくりと味わうにはひとり旅が一番です。ひとり旅には大きく分けて2つのタイプがあります。ひとつはお気に入りの宿をメインに、ちょっと贅沢にのんびり過ごす「おこもり旅」。そしてもう1つが自分の興味や興味の赴くまま観光を楽しむ「アクティブ旅」。

自分の興味や興味の赴くまま観光を楽しむ「アクティブ旅」のヒントを伝授
自分の興味や関心の赴くまま観光を楽しむ「アクティブ旅」のヒントを伝授
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今回は後者の観光をメインとしたひとり旅の計画のヒントを、50歳という年齢だからこそ気を付けたいポイントやおすすめの宿情報とともにご紹介します。

アクティブなひとり旅の魅力とは?

気を遣わず自由気ままにタイムスケジュールを組めるのが、ひとり旅の魅力。どこで何をするか? 滞在時間も自分軸で決められるので、ストレスがありません。気に入った場所があれば1日いてもいいですし、旅先で行きたい場所をみつけたら急な予定変更も自在、この気楽さは他の旅ではなかなか味わえません。

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初めて会うかたとの交流が自然と生まれ、一期一会の楽しみも
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ひとり旅は寂しいというイメージがありますが、意外とひとりでいると、初めて会うかたとの交流が自然と生まれ、一期一会も楽しみのひとつになります。同じくひとり旅の人と、例えばバスの待ち時間に会話をしたら、趣味や価値観があって意気投合……おすすめの場所の情報を得たりなんてことも、結構あります。

村田和子さん
ひとり旅なら五感が研ぎ澄まされ発見も多い
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仲間と旅をすると、ついおしゃべりに夢中になり見過ごしてしまうようなことも、ひとり旅なら五感が研ぎ澄まされ発見も多くあります。自然の移ろい、人々の生活を深く味わえるのもひとり旅の醍醐味です。

アクティブなひとり旅~5つの計画のヒント

自由気ままなひとり旅だからこそ、気を付けたいこと、楽しむための一工夫があります。順にみていきましょう。

【1】旅のテーマを決める

自由気ままなため、ともするとあれもやりたい、これもやりたいと迷って計画が決まらないことも。また、旅先で何かを選択するときも1人で決めなくてはいけません。軸となるテーマがあると、例えば時間がないときに何を優先すべきかなど、行動が明確になり迷いが少なくなります。

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私は「観光列車」や「アート」がテーマのひとり旅も多く、写真はエクスプレス銀河に乗車し、和歌山県串本市のキャラクターまぐトルと記念撮影したときのもの
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テーマは何でもOKです。「秋のアートをとことん楽しむ」「〇〇の絶景を写真に収める」「学生時代に自分が住んでいた町を再訪」など。雑誌の見出しを考えるように、キャッチーなテーマをつけましょう。

【2】アクセスと時間管理はしっかり事前に

ひとり旅は公共交通機関を利用することが多くなります。場所によってはバスや列車が日に数本ということも。アクセス、現地での移動手段はしっかりと事前にめどをつけておきましょう。

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アクセスと時間管理はしっかり事前に
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心配なかたや初めてのかたは、「都市部」のひとり旅がおすすめです。市内を回るバスや列車の乗り放題チケットなどを活用すれば、気分にあわせた予定変更もOK。いざというときにはタクシーも利用でき、アクセスなどを心配せず楽しむことに集中できます。

【3】どこにいく?場所を決めるポイントは?

旅のテーマを決めると、場所もおのずと絞られます。旅慣れていないなど不安がある場合は、前述のとおり交通機関の整う都市部。あるいはかつて自分が訪れたことがある場所をセレクトすると、気持ち的にも安心です。

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交通機関の整う都市部は安心(写真は神戸市)
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また有名な場所ではなく自分だけのとっておきの場所~新婚旅行や家族旅行の思い出の地、かつて住んでいた場所なども時を経て再訪すると、思い出もよみがえりいいものです。ニッチな場所こそ、ひとり旅だからこそ行けますよ。

【4】荷物は身軽に。連泊がおすすめ

50代になると、気持ちは元気でも体がついてこない、疲れやすいなど、やはり若いときのようにはいきません。荷物はできるだけ身軽にするとともに宿は連泊がおすすめ。重たい荷物は宿において、そこを拠点に身軽に日帰り旅を楽しむスタイルが体への負担がありません。

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大きな荷物はホテルに置いて、リュックなどで身軽に観光を楽しみたい
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連泊なら、途中疲れたら部屋に戻れるのも大きなメリットです。特に気温の下がる冬や熱中症の心配がある夏は、ちょっと休める場所を確保しておくと快適に旅ができます。

【5】ひとりだからこそ体調管理など万一の備えを

旅につきもののトラブルも、自分で解決する必要があります。外部との連絡手段であるスマホは予備電源を持っていくなど、電池切れのないようにしっかり備えましょう。

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疲れたと思ったら休息を
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ひとり旅は自分で行動を決めるので、つい無理をしがち。疲れたと思ったら宿に早めに入って体を休め、睡眠や水分をしっかりとるなどいつも以上に体のケアを心掛けましょう。なお、万一具合が悪いときのために、保険証はもちろん、自宅などの緊急連絡先とお薬手帳、常備薬はまとめて持っておくと安心です。

体調面から、計画通りにいかないこともあるかもしれません。そんなときは「また来てくださいという、次回への宿題」と私は思うようにしています。ちょっとやり残したほうが、また来たいという気持ちになり、それは日常での張り合いになります。

開業ほやほやも!ひとり旅におすすめの宿3選

アクティブ旅の宿は、駅近や旅の目的に至便などアクセス重視で選びましょう。宿への滞在時間も短めなのでコスパ面も大事です。そうはいっても50歳からの大人の旅では、滞在のこだわりや旅のワクワク感も欲しいもの。そんなニーズにぴったりの、ひとり旅におすすめの最近開業した宿を3つ紹介します。いずれも料金は手頃ながら、滞在そのものも楽しめます。

【1】「ONE@Tokyo」隈研吾氏監修のお洒落な次世代ホテルは東京散策におすすめ

11月1日にオープンしたばかりの「ONE@Tokyo」は、4路線が乗り入れる東京・押上駅より徒歩3分。羽田空港からのアクセスもよく、駅近ながら一帯は落ち着いた雰囲気です。

オープンしたばかりの「ONE@Tokyo」の屋上。1室1名あたり8160円~ (税込、素泊まり)(https://onetokyo.com/en)

隈研吾氏監修とあって外観から個性的で、ホテル内部も隈研吾氏のデザインの特徴である「木の温かさ」と、一帯の町工場のイメージから工業マテリアルを融合させたお洒落なデザイン空間が広がります。

1階スペースでは無料で飲み物が提供され、宿泊者のみに開放されている屋上からは、美しい見事な東京スカイツリーが望めます。夕刻は息をのむ美しさなのでお見逃しなく。

隈研吾氏監修のホテルは外観もユニーク(ONE@Tokyo)
隈研吾氏監修のホテルは外観もユニーク(ONE@Tokyo)
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1階の朝食会場は、飲み物も提供されるラウンジに(ONE@Tokyo)
1階の朝食会場は、飲み物も提供されるラウンジに(ONE@Tokyo)
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屋上からのスカイツリーの眺め(ONE@Tokyo)
屋上からのスカイツリーの眺め(ONE@Tokyo)
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お部屋からスカイツリーを望む客室も人気(ONE@Tokyo)
お部屋からスカイツリーを望む客室も人気(ONE@Tokyo)
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【2】天然温泉 吉備の湯「ドーミーイン岡山」:温泉とセルフロウリュウの大浴場で旅の疲れが癒される

JR岡山駅の東口より徒歩約6分、2022年8月に開業とあって館内はどこもピカピカ。

吉備の湯「ドーミーイン岡山」

吉備の湯「ドーミーイン岡山」(ダブルルーム、平日1名様利用時 1万円~(素泊まり、入湯税別、時期や曜日により変動あり)(https://www.hotespa.net/hotels/okayama/)

特におすすめなのが大浴場。ドーミーインの代名詞でもある温泉に加え、ここにはセルフロウリュウが楽しめるサウナがあるのです。岡山城の石垣にある「不等辺五角形」のタイルが施された情緒ある館内でしっかりと旅の疲れを癒せます。

ロウリュウも楽しめる大浴場(ドーミーイン岡山)
大浴場の入り口は温泉旅館のようなワクワク感が(ドーミーイン岡山)
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ロウリュウも楽しめる大浴場(ドーミーイン岡山)
ロウリュウも楽しめる大浴場。泉質はアルカリ性単純温泉(ドーミーイン岡山)
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また朝食も「ばら寿司」や「鰆のたたき」など、ご当地の名物を贅沢にいただけてしまうクオリティー。ひとり旅にはうれしいポイントです。岡山や倉敷の散策に便利な他、アートの島「直島」への窓口となる宇野港へも1時間程度です。

お洒落な朝食会場。夜には夜鳴きそば(無料)も提供(ドーミーイン岡山)
お洒落な朝食会場。夜には夜鳴きそば(無料)も提供(ドーミーイン岡山)
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ご当地メニューもいただける朝食(ドーミーイン岡山)
ご当地メニューもいただける朝食(ドーミーイン岡山)
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【3】「OMO5沖縄那覇 by 星野リゾート」地元を知り尽くしたレンジャーが街をナビゲート

2021年5月に開業した「OMO5沖縄那覇 by 星野リゾート」。テーマは「バザールって、ちむどんどん♬(胸がどきどきわくわく)」。

2021年5月に開業した「OMO5沖縄那覇」。テーマは「ちむどんどん(心躍る)」

2021年5月に開業した「OMO5沖縄那覇 by 星野リゾート」。1名1室あたり1万3000円~(税込、食事別)。(https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/omo5okinawanaha/)

特徴となるのは、ご当地を知り尽くしたスタッフ「OMOレンジャー」が、街を案内してくれるガイドツアーがあること。

無料ツアーのラインナップには、「裏国際通りさんぽ」という、ひとりでは行きにくい国際通りから入った路地の穴場スポット巡るものがあったり、「那覇シーサーさんぽ」は、街にあふれ生活に欠かせないシーサーを巡りながら、沖縄の歴史や文化を学べるなど個性的なメニューが並びます。

OMOレンジャーの案内で巡る街歩き
OMOレンジャーの案内で巡る街歩き(OMO5沖縄那覇 by 星野リゾート)
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2021年5月に開業した「OMO5沖縄那覇」。テーマは「ちむどんどん(心躍る)」
「那覇シーサーさんぽ」では、シーサー藝術家の宮城光男氏(写真)の工房も訪ねる(OMO5沖縄那覇 by 星野リゾート)
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1階にはカフェが、2階にはライブラリーもあって1人時間を楽しむのにもぴったり。モノレールの「県庁前駅」からは徒歩6分、那覇空港からも車で8分とアクセスも至便です。

OMOベースにあるご近所マップ
OMOベースにあるご近所マップは、穴場の食事場所の情報も(OMO5沖縄那覇 by 星野リゾート)
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ライブラリーでは夕方に「で~じ!行きたくなる首里城講座」も開催
ライブラリーでは夕方に「で~じ!行きたくなる首里城講座」も開催(OMO5沖縄那覇 by 星野リゾート)
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いかがですか? コロナ禍で密を避けるという意図から、おひとり様が旅をしやすい環境も整っています。ぜひチャレンジしてみてくださいね。また、冒頭の旅行会社クラブツーリズムでは、「女性のおひとり様参加限定」のツアーを発売しています。ひとり旅のよさと、仲間がいる安心感があるので、自分で計画は敷居が高い、体力面で心配というかたは検討してみてもいいのでは?

◆教えてくれたのは:旅行ジャーナリスト・村田和子さん

村田和子さん
旅行ジャーナリスト・村田和子さん
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旅行ジャーナリスト。「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」をモットーに、旅の魅力を媒体で発信。宿のアドバイザー・講演なども行う。子どもと47都道府県を踏破した経験から「旅育メソッド(R)」を提唱、著書に「旅育BOOK~家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ(日本実業出版社・2018)」。現在は50歳を迎え、子どもも大学生となり、人生100年時代を楽しむ旅を研究中。資格に総合旅行業務取扱管理者、1級販売士、クルーズアドバイザーなど。2016年よりNHKラジオ『Nらじ』月一レギュラー。トラベルナレッジ代表(https://www.travel-k.com/)。旅ブログも行っている(http://www.murata-kazuko.com/)

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