
普段の食卓だけでなくおせちの具材としても活躍するれんこん。複数の穴から向こう側を見通せることで「将来の見通しがよい」とされる縁起物の野菜ですが、縁起がいいだけでなく、栄養もたっぷり摂れて健康や美容にもいいと野菜ソムリエプロの福島玲子さんは話します。
* * *
ビタミンCたっぷりで、美容効果のある栄養もたくさん
れんこんには健康や美容にも役立つ栄養がたっぷり。水溶性の栄養が多いので、下処理で水にさらすときは30分以内にすると効率的に栄養を摂取できます。皮にもたくさん栄養が含まれるので、よく洗ってから気になる汚れは取り除いて、皮をむかずに調理するのがおすすめです。

豊富なビタミンCは、加熱しても壊れにくいのがうれしい
れんこんにはビタミンCが多く、100gあたり48mgも含まれています。フルーツでもビタミンCが豊富なみかんは100gあたり35mgなので、いかに多いかがわかります。(「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より)
ビタミンCは、風邪予防や疲労回復などに効果があると言われる栄養素です。肌のハリや骨を丈夫にするコラーゲンの生成を助け、メラニン色素の沈着を防ぐ働きによる美肌効果も期待できます。

ビタミンCは熱に弱く、加熱すると流れがちですが、れんこんの場合はビタミンCがでんぷんに守られているので、熱を入れても壊れにくいのが特徴です。
抗酸化作用やむくみ解消など、美容に役立つ栄養が多い
れんこんを切ると切り口が黒く変色するのは、ポリフェノールの一種であるタンニンによるものです。ポリフェノールには活性酸素の働きを抑制する、抗酸化作用があるのでアンチエイジングにぴったり。胃腸の働きを活性化させる作用もあります。
さらにカリウムも豊富で、体内の余分な塩分を排出することからむくみの解消に役立ちます。便秘解消効果のある不溶性食物繊維も含まれているなど、れんこんは美容に役立つ栄養が豊富な野菜なんです。

れんこんの節ごとに向いている調理法とは?
最後に、“ソムリエ目線”でのれんこんの調理法を紹介します。れんこんには節ごとに特徴を持っていて、調理に向き不向きがあるんです。
肉厚で大きなものは煮物、小さなものはサラダに◎
れんこんを使うときは、サイズごとに調理法を変えてみましょう。大きなものは肉厚で食感がよいので煮物などの加熱調理向き、小さなものはやわらかいのでサラダ向きなんです。

れんこんを使ったサラダはあまりイメージがないかもしれませんが、手軽にできるのでおすすめです。
簡単!れんこんサラダレシピ
作り方は、薄く輪切りにしたれんこんを、シリコンスチーマーまたは皿の上に広げてラップを掛けて電子レンジで2〜3分(500W)加熱します。このとき、半透明になっていれば火が通っています。
加熱したれんこんをマヨネーズやドレッシングなどであえれば、できあがり。お好みの野菜を加えてもいいですし、ナッツを入れてもおいしいです。
他にも、薄くスライスしたれんこんを油で揚げて、塩こしょうで味付けしたれんこんチップスもパリッとした食感がやみつきになりますよ。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん

ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ