食べ過ぎは当然カロリーオーバーになり太ってしまう原因になりますが、食べることを我慢しすぎないでダイエットできたらどんなに幸せか――。今回は、体重78kgから1年間で24kgのダイエットに成功、その後、トータルダイエットカウンセラーとして活動し現在ヘルスフードサイエンス研究家として活動中の大西ひとみさんに、食べることを我慢しすぎないでダイエットするための栄養摂取のコツを教えてもらいます。
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ビタミンBがダイエットに不可欠な理由
ダイエットにはあるビタミンの存在がとっても重要なのをご存知ですか? 今回は太りにくい体作りのために意識して摂取しておきたいビタミンがあることをぜひ、覚えておきましょう。
結論から言ってしまうとそれはビタミンB群。意識しないと忘れがちになってしまうビタミンですが、このビタミンB群の存在は効率よくダイエットしたい人には軽視できません。
まず、ビタミンB群を摂取する大前提として三大栄養素である、たんぱく質、脂質、炭水化物を体内にきちんと取り込んでおくことが必須です。なぜならビタミンB群はこれらを効率よく代謝するために必要で、三大栄養素の補酵素として働いてくれることでダイエット効果を発揮するからです。ですから、三大栄養素を摂取せずにビタミンB群ばかり摂取してもダイエット効果はほとんどありません。
水溶性と脂溶性の2種類あり
ビタミンというのは基本的には体内で作ることができないので食事やサプリメントなど摂取する必要があります。ビタミンは大きく分けて水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分けることができます。水溶性ビタミンは血液などの体液に溶け込んでいて、余分なものは尿として排出されます。脂溶性ビタミンは水に溶けない性質があり、主に脂肪組織や肝臓に貯蔵されます。(ビタミンB群は水溶性ビタミンに分類されます)
ビタミンB群にはB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンがあり、それぞれ栄養素が代謝される際に補酵素として働きます。その中でも特にビタミンB1、B2、B6はダイエットにはとても重要なビタミンです。その3つについて説明していきましょう。
【ビタミンB1】糖質の代謝に使われる 豚肉やナッツなどに
ビタミンB1は炭水化物の代謝に重要で、食事からの利用率は約60%と推定されています。(参照:『あたらしい栄養学』吉田企世子・松田早苗監修)
ビタミンB1を多く含む食品は豚肉。脂身より赤身部分により多く含まれています。植物性の食品ではナッツなどの種実類や豆類に比較的多く含まれています。
ねぎや玉ねぎ、にんにく、にらなどに多く含まれているアリシンという成分と一緒に摂取するとビタミンB1を吸収しやすくなります。糖質の摂取量が多い食生活をしている人は特に糖質の代謝が増えてしまうことからビタミンB1が不足しやすいので意識して摂取してほしいです。ビタミンB1が糖質代謝に足りなくなると、摂取した糖質が体脂肪に変わりやすくなります。
【ビタミンB2】 脂肪の代謝に貢献 レバー、卵、納豆などに
ビタミンB2は身体に蓄積された脂肪を代謝してくれる作用もあるので今回紹介するビタミンの中でも特におすすめです。レバー、卵、納豆などに多く含まれています。体脂肪が気になる人だけでなく、普段から脂質の摂取量が多い人は特に意識して摂取していただきたいです。
ビタミンB2は、コレステロールや中性脂肪といった脂質が、活性酸素によって変わる有害物質である過酸化脂質を分解する作用もあると言われています。(https://www.taisho-kenko.com/special/vitamin-mineral/vitamin-b2/)