エンタメ・韓流

デビュー35周年の工藤静香、カラオケで“追い静香”をしたくなる「魔力と中毒性」

カラオケで「静香ファーストチャレンジ」直後の「追い静香」

工藤静香の歌は、カラオケで歌うとものすごく気持ちがいいのも大きなポイントである。20代の頃、私の友人の間で人気だったのは『恋一夜』と『嵐の素顔』、そして『黄砂に吹かれて』。特に『嵐の素顔』を十八番とする彼女が、本当に気持ち良さそうに歌うので、思わず「私も一度……」と『嵐の素顔』を入れてみた。

振り付けも話題になった『嵐の素顔』(写真は1990年、Ph/SHOGAKUKAN)
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すると、かっ体が勝手に! 片手が、直角から並行にするあの振り付けに動いてしまう! そしてなにより、ものすごくイイ女気分になる。歌い方も「絶対寄せるまい」と決めていたのに、どうしても真似をしたくなり、鼻にかかるように歌う部分と、太い声で歌うところの差をつけ、ほんの少し静香っぽくしてしまった。

「魔力と中毒性」の虜になる(写真は2012年、Ph/SHOGAKUKAN)
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しかもこの「静香ファーストチャレンジ」があまりにも気持ちがよく、私は舌の根も乾かぬうちに「追い静香」を敢行。『恋一夜』がこれまた友人の十八番と知っていながら先に入れるという裏切り行為をし、上手い下手はともかく陶酔した。最後の「なぜ……」というところでは、自分がおかっぱのメガネということなどすっかり忘れ、「ワンレングスのイケイケ美女」になりきり、首を傾げアンニュイに歌ってしまったのだった。

ヤバい。工藤静香の歌、ヤバい──。それまで「気が強そうなモテ歌手」というイメージで少し遠ざけていた彼女の魔力と中毒性を、カラオケという文化に一度バウンドさせる形で、私はやっと認めることができたのである。

こうなると、さらに欲が出てくるのが人間というもの。ある日彼女がテレビでつけていた青みがかったピンク(薄紫?)の口紅を真似して買い、結果、プール上がりで寒くて震えている人のようになった。歌はともかく、彼女のヘアメイクはハードルが高かった……。

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