
オンラインで中古品の売買ができる「メルカリ」、「ラクマ」、「PayPayフリマ」などのフリマサービスは、商品を手頃な価格で購入できる便利なサービス。自宅で眠っている不要品を売却して得たポイントを使って欲しい商品を手に入れることができます。「部屋が片付くうえに出費を抑えることもできる、使わないと損な便利サービスです」と話す生活コスト削減コンサルタントの生方正さんが、どのようにフリマサービスを活用しているのか教えてもらいました。
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メルカリ、ラクマ、PayPayフリマの違いは?
フリマアプリといえば、最大手のメルカリ、楽天が運営するラクマ(旧フリル)、Yahoo!グループのPayPayフリマがあり、各社しのぎを削っています。私は主にメルカリとPayPayフリマを併用していますが、その理由の前に、各社の違いをチェックしてみましょう。
「メルカリ」専用クレカの支払いで最大4%ポイント還元も!
メルカリのサービスが始まったのは今から9年前の2013年。これまでの国内累計出品数は30億個超え、2022年10月の月間利用者数が2075万人に達するなど、もっともメジャーなフリマアプリです。年会費無料のクレジットカード「メルカード」でメルカリの決済をすることで、最大4%のポイント還元が受けられます。

「ラクマ」楽天スーパーポイントが使える、貯まる
ラクマは楽天が運営しており、楽天カードを使った買い物や楽天市場での購入などで貯まる楽天スーパーポイントを使って商品を購入できます。商品を売った代金は楽天キャッシュにチャージできます。なお、楽天キャッシュはキャッシュレス決済の「楽天ペイ」で使えるので、対応店舗での買い物などに使うこともできます。
女性向けのフリマサイト「フリル」からスタートしたことから、女性向けファッション、ハンドメイドなどが数多く出品されています。
「PayPayフリマ」クーポン利用で商品の売買がお得に
PayPayフリマは、最大半額クーポン(割引上限あり)などクーポンが頻繁に発行されるため、クーポンを利用することでお得に買い物ができます。また割引交渉も希望金額を入れるだけで出品者に伝えられるため、初心者でも交渉が簡単なのが特徴。
手持ちのアイテムを出品する場合は、初めての出品の販売手数料が無料。販売手数料(5%)、送料(170円)ともに業界最安値なのも注目すべきポイントです。割引率が高いクーポンが発行されれば、お得に商品を購入したい人がたくさん訪れるので、出品した商品も売れやすくなる仕組みになっています。
販売手数料と送料だけではNG、出品の際に見るべきポイントは?
私は3年前にフリマアプリを活用し始めて、これまでに約500アイテムを出品。100万円以上を売り上げました。この経験をもとに、手持ちのアイテムを出品する際のコツや販売手数料、送料のコツなどについてお伝えします。

送料と販売手数料、お得なのは?
さまざまなフリマアプリがあるなか、商品を売る際の判断材料にするべきは、販売手数料と送料、アイテムの売れやすさです。
たとえば出品した商品が売れた場合、販売手数料としてメルカリ10%、ラクマ6.6%(6%+税)、PayPayフリマ5%が売上金から差し引かれます。また配送料は、ネコポス(A4サイズ、厚さ3cm以内、重さ1kg以内)を使った場合、メルカリ210円、ラクマ200円、PayPayフリマ170円となります。
「30、40円くらいの差はたいした金額じゃない」と思うかもしれませんが、商品が10点売れた時点で300円、400円。100点売れたら3000円、4000円と差がでます。そう考えると、販売手数料、送料の差は侮ることはできないコストになります。

フリマアプリ選びは販売スピードも重要
販売手数料、送料が一番安いのはPayPayフリマです。しかし出品して気づいたのですが、売れるスピードと数は圧倒的にメルカリのほうに軍配が上がります。そのため私はPayPayフリマよりもメルカリに多く出品するようにしています。
普通に考えたら「販売手数料と送料が一番安いPayPayフリマに出品するのがいい」と考えるかもしれませんが、そもそも出品したものが売れなければお金は入ってきません。そのためアイテムにより出品するフリマアプリを変える、複数の商品を出品する場合は複数のフリマアプリに同時出品することも必要です。
新刊の書籍など、どこのフリマアプリでもすぐに売れるものはPayPayフリマに出品。海外旅行先で買った珍しいお土産などレアアイテムは、ユーザー数が多いメルカリへ。より多くの人が集まるところで売ったほうが、閲覧数が多く商品が動きやすいのです。
私は、メルカリに出品して値下げを繰り返しても1年間売れなかった物は、タイミングを見て出品をまとめて出品を取り下げて処分します。「いつか売れるかも」と思って不要品を家にため込むことになったり、傷つかないように商品を保管する手間を継続することを避けたりするためです。

売れない商品は期限を決めて手放すことの方が大事です。わずか500円を稼ぐために労力をかけるくらいなら、出品することをあきらめて好きなことに時間を使った方がよっぽと人生は充実するからです。
新書を読んだらすぐに売るルーティンで”積読”が減り知識が増える
私が初めて出品した商物は書籍でした。書籍の出品はバーコードを読み込むだけで商品情報が入力されるので楽。さらに、大概の書籍は厚さが3cm以下なので、一番安い送料で発送できるからです。
例えば1500円の書籍を発売日に購入して、読み終わったら次の日に1350円で出品。手数料が5%として67円、送料170円を差し引いた1263円が手元に残ります。1500円の新刊を、300円足らずで読めるのですから、かなりお得です。

出品が遅くなればなるほど値段が下がります。そのため、発売日に購入してライバルの出品が増える前に出品しようと思うので、本を読むモチベーションにもなります。このサイクルができると、購入してすぐ読了できるようになるので“積読”がなくなり、読書量が増えるのと比例して知識も増えてきますよ。
相場がわからないものはAIの値付け機能も便利
書籍のほかに、昔集めていた珍しいワッペンや値の張った財布や革小物なども次々と出品しました。ただ、ここで問題になるのがそれぞれのアイテムの値付けです。書籍など、同じ商品が多数出品されていれば相場観がわかり、上手に値付けできます。しかし、出品するものが珍しいアイテムだと相場がわからないこともあります。
そんなときは、メルカリの「売れるかチェック」機能を使うと便利。売りたいアイテムの写真を撮り、商品情報を入力することで、AIが売れやすい価格を自動判定してくれます。
フリマサイト内で不要品を売り、得たポイントで必要なモノを購入できるようになると出費を抑えられるようになります。また「この商品が欲しい」と思っても、「保有ポイントがない場合は買わない」「買いたいものがあったら、まずは自分で不要品を売ってポイントを貯めてから購入する」など、マイルールを作っておくことで、衝動買いを減らすことができます。

年末の大掃除で多くの不要品が出たときには、捨てる前に一度フリマサイトを活用してみてはいかがでしょうか? もしかしたら思いがけない高値で売れるかもしれませんよ。(手数料や送料などの情報はすべて2022年12月4日現在)
構成/間野由利子
◆教えてくれたのは:生活コスト削減コンサルタント・生方正さん

うぶかた・ただし。明治大学サービス創新研究所研究員。高校卒業後に海上自衛隊に入隊。勤務の傍ら節約術を駆使しながら、国内株式、金の現物買い、在日米軍に対する不動産投資などを行い、40代で2億円の資産を築いた。現在は生活コスト削減コンサルタントと南極講演家として、メディアで活躍中。著書に『高卒自衛官が実現した40代で資産2億円をつくる方法』(あさ出版)、『攻めの節約』(WAVE出版)など。
構成/間野由利子