正しい歩き方をしていれば、血流が促進されて、体の不調が改善。さらに美容にプラスの効果も得ることができるとか。
そこで、高齢者向けロコモ対策のトレーナーでもある園原健弘さんが、目的別にコツを伝授!
【ダイエット】空腹時に「ギリギリ会話ウォーキング」を
痩せるために歩いているのに、体脂肪がなかなか減少しないのなら、がんばり過ぎが原因かも。
身体活動のエネルギー源は、糖質、脂質、アミノ酸の3つ。脂肪をエネルギーとして使うには、運動中に会話しながら歩く程度の運動が適当。
「会話をしながら歩くと、酸素が取り入れられるので、脂肪が燃えることに。でも、会話できないほどのスピードでは、脂肪ではなく糖質を燃やすことになるので、NGなんです
“痩せるウォーキング”の極意は、心拍数が1分間に120程度の状態で、20分以上続けること。心拍数が測定できない場合は、ぎりぎり会話できるくらいの速度で歩くのが目安」
余裕で会話を楽しめるようなら、もう少し速く歩くように心掛けよう。
【むくみ改善】かかと着地を意識。ふくらはぎの筋肉を使って
下半身を美しくしたいなら、むくみ脚の解消が近道。
「脚のむくみの原因は、動脈を通じて足先に届いた血液や体液が、うまく心臓に戻せていないこと。ふくらはぎは第二の心臓として、ポンプの役割をしていますが、筋肉が使えないと、血液が滞留してしまうことになります」
正しい歩き方のコツは、しっかりとかかとから着地すること。ふくらはぎの筋肉が正しく収縮と弛緩するため、むくみの改善や外反母趾予防に◎。足の指先が曲がっている「曲げ指」や、親指が浮いている「浮指」は、誤った歩き方につながってしまうので注意を。
【美肌】幸せホルモンの分泌がアップ!
歩くことと肌の美しさは関係ないように思えるが…。
「ランニングなどのハードな運動は、骨格筋に血液が奪われるため、皮膚への血流が下がり、肌荒れの原因になることがあります。でも、ダイエットの項目で紹介した“ギリギリ会話ウォーキング”なら、皮膚表面の血流量が安静時より格段にアップ。肌がきれいになるのです」
また、歩くことで幸せホルモンといわれるセロトニンが分泌されることがわかっている。東京山手メディカル健康管理センター長の西田潤子さんも次のように説明する。
「セロトニンが充分だと気持ちが安定してよい睡眠がとれ、美肌にもつながります。音楽などを聴きながら、考えごとはせずにリズミカルに、無心で歩くといいですよ」
写真/矢口和也
※女性セブン2017年3月30日・4月6日号