
2023年も値上げが続くと言われている電気代。しかも、寒くなり、暖房を使う日が増える冬は負担が増えるシーズン。そんななか、節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんがすすめるのがこたつ。こたつは暖房器具の中でも電気代が安いといいます。丸山さんにその理由とさらに節約する方法について教えてもらいました。
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節電するなら消費電力が少なくすむこたつが最適
こたつは部屋全体ではなく一部分だけを温めるもので消費電力が少なくてすむので、電気代を安く抑えることができ、節電の味方になってくれる暖房器具です。
電気代はエアコンの4分の1以下
ミカド電設が運営する電気の情報サイト「みんなのでんき」()(https://www.mikado-sc.co.jp/minnanodenki/column/entry-2804.html)によると、「ワットモニター」で電気使用量を計測したところ、「弱」運転の場合に1時間あたりの電気代は0.94円。冬場5.5か月、1日12時間で毎日使用しても1シーズン約1900円です。「中」運転の場合は約2倍の1.82円(1時間あたり)。「強」運転でも約3倍の2.88円なので、1シーズン(5.5か月×1日12時間)で約5840円です。

同サイトにて、エアコンの電気代を計測した実験では、9時間エアコンをつけていた場合の電気代は133.6円、1時間あたり12.7円でした。つまり、こたつの弱運転ではエアコンの10分の1以下、強運転でも4分の1以下の電気代に抑えることができるといえます。
エアコンとこたつを上手に組み合わせて節電
こたつだけでは部屋が暖まらないので、寒い季節の生活には心もとないと思います。その場合は、こたつとエアコンを組み合わせるのがおすすめです。
資源エネルギー庁による省エネポータルサイト「家庭でできる省エネ」(https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/airconditioning/index.html)には、外気温度6℃でエアコン(2.2kW)の暖房設定温度を21℃から20℃にした場合(使用時間9時間/日)、暖房期間5.5か月(169日)で約1650円の節約になると記載されています。

無理はいけませんが、こたつを使いながらエアコンの設定温度を下げれば、節電につなげることができます。
日中家に1人なら1人用こたつで過ごすことも節約に
最近は1人用のこたつも登場しています。日中は家に1人で、エアコンで部屋全体を暖める必要がないという場合は、日中用の暖房機器として取り入れてみてもいいでしょう。縦に長い椅子タイプのものは、スペースをあまり取らないのでリモートワークにもおすすめです。
こたつの節約術を知ってもっとお得に!
そもそもコスパのいいこたつですが、さらに節約する方法もあるんです。

上掛と敷布団をあわせて使うと1010円の節約に
こたつ布団に上掛と敷布団をあわせて使うと、こたつ内の温度が下がりづらくなるので、消費電力量をさらに節約できます。省エネポータルサイト「家庭でできる省エネ」によると、1日5時間、5.5か月使用した場合に、およそ32.48kwhの省エネになり、電気代に換算すると1010円の節約になるそうです。
断熱マットとセットでさらに節電
また、こたつの下に断熱マットを敷くのもおすすめです。床は家の中でも特に温度の低い部分ですが、断熱マットを敷き、床からの冷気による温度低下を防ぐことで、こたつ内の温かさが保たれ、使用電力量を減らすことができます。

ただし、断熱マットの上にそのままこたつ敷布団を置くと、布が滑りやすいので転倒事故の原因にもなります。100円均一などでも売っている滑り止めシートを敷くなど、足元に気をつけて使用してください。
◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん

節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/
構成/吉田可奈