家族の「あの書類どこ?」がなくなる
突然の病気や、事故によるケガでの入院……そんなピンチのときこそ、ホームファイリングが役に立ちます。
突然の入院時に慌てなくなる
「個別フォルダに書類を収納していれば、たとえば自分が入院したときに、家族から『あの書類どこ?』と聞かれても『どの辺りの、どんなタイトルの個別フォルダに入っている』と伝えることができれば十分。家族との情報共有がとてもスムーズに行えます」
ホームファイリングは、自分が不在のときでも、変わらず日々を過ごせるように家族の自立を促す準備とも言えそうです。
離れて暮らす親子も安心
ホームファイリングによる情報の一元管理は、突発的なトラブルへの備えになるだけではありません。
「実家に住む親の重要書類のありかが『離れて暮らす子供でもわかる』ようになれば、介護など日常の困りごとから、いざという時の備えに必要な情報まで共有できます。お互いの安心のため、元気なうちに書類を整理するのは、終活の一つとしても人気です」
安心のための「防災情報フォルダ」
地震や災害が発生した際に必要となるような情報をひとまとめにする「防災情報フォルダ」をホームファイリングで作っておくと、いざという時の安心につながります。
防災時に必要になる情報とは
「防災時に必要になる情報には、ハザードマップ、緊急連絡先リスト、災害用伝言ダイヤル171の使い方、公衆電話の場所リスト、(離れ離れになったとき用の)ご家族やペットの写真、普段かかっている病院やお薬の状態のメモなど、たくさんの種類があります。
上記の情報を、個別フォルダに『防災情報フォルダ』として一つにまとめておけば、いざというとき安心です。フォルダの置き場所は玄関や防災リュックの中など、ご家庭によってさまざまな工夫をして備えておくことができます」
地震や台風でライフラインが止まったら?
ライフラインの停止時に必要になる書類に、給湯器やトイレなどの住宅設備や家電などの取扱説明書があります。
「災害時は、停電、ガス停止、断水等インフラへの影響が大きく、復旧までに各自が行うべき作業があります。その際、取扱説明書はかなりの割合で必要になるでしょう。『ネットで読めるから不要』と思っていても、災害時には停電やアクセス集中も予想され、すぐに見ることができないかもしれません。
もし、紙の取扱説明書を処分したいなら、災害時に必要なページだけを切り取って『防災情報フォルダ』に入れておくなどの対策をしましょう」
なお、防災時に必要な情報については、命にもかかわる重要な事柄のため、防災とホームファイリングの両方に詳しい専門家の指導を受けることをおすすめします。
◆教えてくれたのは:オフィス業務効率化コンサルタント、整理収納アドバイザー1級認定講師・長野ゆかさん
オフィスミカサ代表取締役、オフィス業務効率化コンサルタント、整理収納アドバイザー1級認定講師。文書ファイリングを中心に、オフィスの環境改善、効率化などを指導。コンサルタントとしてのべ40トンの書類削減実績。講師として厚労省、全国の自治体や企業で研修実績がある。ホームファイリング(R)では一般向けのセミナー、訪問作業サポートができる講師の育成にも注力する。2022年10月、『実践! はじめてのホームファイリング 「おうち書類」の片づけかた』(同文舘出版)を出版。https://twitter.com/officemikasa
※ホームファイリング(R)は株式会社オフィスミカサの登録商標です。