にらは通年出回る野菜ですが、最もおいしい季節は春です。野菜ソムリエプロの福島玲子さんは「春の出始めのにらの葉はやわらかく、香りもよくて料理がより香ばしくなります」と言います。では、よりおいしい旬のにらを選ぶ方法と、おいしさをキープする保存の仕方とは? 詳しく教えてもらいました。
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おいしいにらを選ぶには、葉と切り口をチェック
にらを見極めるポイントは、葉と切り口。新鮮でおいしいものを選び、旬のにらを味わいましょう。
葉の色味、幅、ハリを見てみずみずしく肉厚なものを
おいしいにらを見極めるには、葉の色味からチェックしましょう。緑色が濃くツヤのある、鮮やかなものを選ぶのがよいです。黄色みがかっていると、鮮度が悪くなっていて、食感や風味が損なわれている可能性があります。
葉のハリもポイント。ピンとまっすぐで、ハリがあってみずみずしいものが◎です。にらは乾燥に弱い野菜なので、しなしなになってハリがないものは旨味や風味が落ちている可能性があります。
また、葉の幅が広めのものは、繊維が密に詰まっていないため食感がよく肉厚になる傾向にあります。にらは一度植えると何度も収穫できる多年生の野菜で、初めに収穫される「一番にら」は甘みが強く、シャキシャキとしています。この「一番にら」は葉の幅が広めなのが特徴です。
さらに根元の切り口も見ましょう。みずみずしく乾燥していない、肉厚のものがよく育っているものですよ。
葉が折れたもの、持ったときに大きく曲がるものは避ける
NGなのは、折れた葉が入っているものです。にらは折れた部分から傷み始めて、ツンとしたニオイを発するので、避けるようにしてください。また、持ったときに大きく曲がったり、先が垂れるようなものは、しなびている可能性があります。
にらの正しい冷蔵&冷凍保存法
にらは日持ちしにくい野菜です。鮮度が落ちてくると、風味が弱くなりますので、できるだけ早めに食べることをおすすめします。正しく保存をすればある程度日持ちしますが、にら本来の風味はやや失われることを覚えておきましょう。また、葉が折れると傷み始めるので、注意深く扱ってください。
冷蔵するときは乾燥させないことが大切
野菜室で保存する場合は、根元を湿らせたキッチンペーパーで包んでから葉が折れないように新聞紙でくるみ、ビニール袋に入れ、できるだけ立てて置きましょう。野菜は基本的に生えていたときように、縦の状態で保存すると長持ちします。そして、2~3日程度で使い切ってください。
またどうしてもすぐに使えないときは、3~4cm程度にカットしてから、水を張った保存容器に入れて野菜室で保存するという方法もあります。水は、3日に一度取り替えましょう。この方法ならば野菜炒めなどにそのまま使えて便利です。水溶性のビタミンCなど栄養価は下がってしまうので、なるべく早く食べるのがベストです。1週間程度をめどに、葉に元気があるうちに使い切りましょう。
冷凍保存は使いやすい大きさにカットすると◎
にらは冷凍保存するのもOKです。冷凍ならば3週間~1か月程度保存することができます。
冷凍する前に、まず水洗いしてから、水気をよく拭き取りましょう。餃子に使うならみじん切り、炒め物や鍋に使うならば3~4cm程度にカットしてから1回分ずつラップに包み、保存袋に入れて空気を抜いてから冷凍しましょう。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ