1日3分でOK!内臓を温める3つのストレッチ
慢性腎臓病を改善するには、さきほどお話しした内臓の温度がカギです。内臓の温度を上げるには、ストレッチが効果的だと山口さんは話します。ストレッチによって、筋肉を使って熱を作る力をつけ、血液を体全体に運ぶ筋肉のポンプ機能を高めるのがよいそうです。
山口さんが提唱する「ほかほかストレッチ」は、自宅でわずか3分でできる簡単なもの。3種類のインナーマッスルを刺激して、筋肉の熱を作る力と運ぶ力を強化しましょう。基本的に座り姿勢で効果は十分ですが、負荷をかけたい、物足りないと感じるときは立った状態で行ってみましょう。
(1)インナーマッスルを左右から刺激「ヘリコプターストレッチ」
【1】背筋を伸ばして椅子に座り、両腕を伸ばしたまま肩の高さまで上げる。
【2】両腕を伸ばしたまま、上体を右にひねる。ひねりきったところで5秒キープ。目線を右手から離さないようにしながらひねると、限界までひねることができる。終わったら【1】の上体に戻る。
【3】両腕を伸ばしたまま、上体を左にひねる。ひねりきったところで5秒キープ。目線を左手から離さないようにしながらひねると、限界までひねることができる。終わったら【1】の上体に戻る。
【1】〜【3】を5回繰り返す。
※立って行う場合は、足を肩幅に開いて背筋を伸ばして立ち、同じ動きをすればOK。
(2)インナーマッスルを前後から刺激「足上げガッツポーズストレッチ」
【1】背筋を伸ばして椅子に座り、右ひじを曲げて前に上げる。
【2】右ひじの先端と右足のひざ頭が触れるまで右ひじを下げ、同時に右ひざを上げる。約30秒間リズムよく20回繰り返す。できなければひじとひざは触れなくてもOK。
【3】左も同じように約30秒間、ひざとひじが触れる動きをリズムよく20回繰り返す。
※立って行う場合は、足を肩幅に開いて背筋を伸ばして立ち、バランスを崩さないように気をつけながら、同じ動きをする。
(3)お腹からの血流をよくする「おじぎストレッチ」
【1】背筋を伸ばして椅子に座り、両手をそれぞれの太ももに置く。
【2】両手を太ももの上をすべらせながら、上体を3秒くらいかけてゆっくり前に限界まで倒していく。これを20回行う。
※立って行う場合は、足を肩幅に開いて背筋を伸ばして立ち、同様の動きをする。
ストレッチに加えて、内臓を温めるスパイスを
山口さんは、ピリッとした辛みとエスニックな香りがするスパイスのヒハツを食事に取り入れ、体の外と中から内臓を温めることを推奨しています。
「ストレッチは、3種類をそれぞれ1日1セットずつ行いましょう。寝起きでも、日中の空き時間でも、夜寝る前でも、いつ行ってもOKです。
この3つのストレッチは、内臓の毛細血管を丈夫にする香辛料・ヒハツを使った料理を食べたあと、胃が落ち着いたころにすると、すぐに体がぽかぽかと温まってさらに効果的になります」
ヒハツの摂取量の目安は1日あたり小さじ1/2ほど。味噌汁やお茶にひと振り入れるのもいいですし、肉の下味に使うのも、臭み取りになるのでおすすめです。
◆教えてくれたのは:理学博士、柔道整復師、鍼灸師、全国冷え症研究所所長・山口勝利さん
冷えを改善しながらやせる形状記憶ボディメイクサロン・シェイプロック銀座代表。30歳のときに構えた鍼灸の治療院で多くの患者を施術するなかで、体の冷えがあらゆる不調の原因となっていることに気づき、「全国冷え症研究所」を1998年に開所。今では、全国に400の分室を持ち、冷えに関する6万人のデータを持つ。「冷え」の怖さ、対処法を広めるべく、TVや雑誌などにも多数出演し、「冷え症」治療の第一人者として注目されている。https://www.ogino-hs.com/hiesyou/index.html
◆内科医・井上宏一さん
日本内科学会認定内科医、日本抗加齢医学会専門医、南砂町おだやかクリニック院長。2000年3月順天堂大学医学部卒業後は、一つの臓器だけを専門にするのではなく、人間の体全体を診ることができる医師を目標に、小児科医、内科医として、さまざまな病院で研さんを積む。現在、南砂町おだやかクリニック院長を務め「『健康=幸せ』の実現をサポートする医療」を掲げ、西洋医学にとらわれず、代替医療も取り入れた総合医療を目指している。