野菜ジュースやスポーツドリンクは適量を
てっとりばやく栄養補給ができるからと、野菜ジュースやスポーツドリンクを重宝しがちな人は要注意。体によいというイメージから、飲みすぎてしまうのはNGなのだそうです。
糖質過多が内臓の冷えを引き起こす
「野菜ジュースの中でもおいしいと感じるものには甘い味わいが多いですが、本当に野菜をしぼっただけでは、あんなに甘いはずがありません。飲みやすさを考えて、多くの市販の野菜ジュースやスポーツドリンクには果汁が入っています。この果汁の中にたくさんあるのが糖分です」
果物で食物繊維や酵素なども一緒に摂れば、糖質の吸収を穏やかにしてくれますが、食物繊維が少ないジュースの場合は糖分がすぐに体に吸収されてしまうのだそうです。
糖分を摂りすぎると、血液がドロドロになって、熱が運ばれにくくなります。さらに、冷たいものを大量に飲むと、内臓を冷やすことにもつながってしまいます。
大量摂取によって起こった高熱の例
「とある格闘家の男性が、高熱が下がらないと相談に来たことがありました。体温は高いのに、内臓の温度を測ってみたら、35℃台前半。健康な人は、内臓の温度(深部体温)が体の表面温度より1〜2℃高く、37.2〜38℃程度が理想ですから、2℃近く温度が低いのです。
男性は、野菜ジュースやスポーツドリンクをそれぞれ毎日1リットルは飲んでいました。ただちにやめてもらい、食生活を変えたところ、高熱が下がり、逆に内臓温度は上がっていったのです。内臓温度が下がり免疫力が低下したことで、熱が下がらなくなっていたことがわかりました」
このように、体によいからと野菜ジュースやスポーツドリンクをたくさん摂取するのは、内臓温度が下がり、体調不良を招く危険性があります。飲む量はほどほどにしましょう。
◆教えてくれたのは:理学博士、柔道整復師、鍼灸師、全国冷え症研究所所長・山口勝利さん
冷えを改善しながらやせる形状記憶ボディメイクサロン・シェイプロック銀座代表。30歳のときに構えた鍼灸の治療院で多くの患者を施術するなかで、体の冷えがあらゆる不調の原因となっていることに気づき、「全国冷え症研究所」を1998年に開所。今では、全国に400の分室を持ち、冷えに関する6万人のデータを持つ。「冷え」の怖さ、対処法を広めるべく、TVや雑誌などにも多数出演し、「冷え症」治療の第一人者として注目されている。https://www.ogino-hs.com/hiesyou/index.html
◆内科医・井上宏一さん
日本内科学会認定内科医、日本抗加齢医学会専門医、南砂町おだやかクリニック院長。2000年3月順天堂大学医学部卒業後は、一つの臓器だけを専門にするのではなく、人間の体全体を診ることができる医師を目標に、小児科医、内科医として、さまざまな病院で研さんを積む。現在、南砂町おだやかクリニック院長を務め「『健康=幸せ』の実現をサポートする医療」を掲げ、西洋医学にとらわれず、代替医療も取り入れた総合医療を目指している。