寒暖差による自律神経の乱れを防ぐのもカギ
寒暖差による自律神経の乱れを防ぐには、冷房で体を冷やさないことがポイントです。
「私は自宅から勤務先まで自転車で通勤しているのですが、汗をかいたままエアコンの効いた室内に入ってしまうと体が冷えてしまうので、仕事が始まる前にフェイスタオルで体を拭いてインナーを着替えています。着替えまでできない場合は、汗をしっかりと拭きとるだけでも違いますよ。寒いと感じたら羽織れるように、上着やストールを準備しておくのもいいですね。
もし冷房の温度を自分で調節できるなら、あまり下げすぎないようにしたいですね。私は自宅のエアコンを28度に設定して、サーキュレーターを回しています。床にたまった冷気が循環して、そこまで室温を下げなくても涼しくなりますから、電気代の節約にもなります」
寝る前の行動に注意
昼間に受けた疲れやダメージは睡眠でリセットしたいところ。寝る前の行動でスムーズに眠れるかが変わってきます。
「深部体温が下がると眠気を感じるのですが、夜も暑い夏は深部体温が下がりにくいため、眠れなかったり、睡眠の質が悪くなったりします。そこで、いったん体温を上げて深部体温が下がるタイミングを作ることで、快適な睡眠に導きます。眠る60~90分前にお風呂に入ったり、軽いストレッチを行ったりするといいですね。ただし、お風呂のお湯が熱すぎたりストレッチを頑張りすぎたりすると、交感神経が優位になって逆効果になってしまいます。夜はリラックスすることを心がけましょう」
◆教えてくれたのは:医学博士・高尾美穂さん
愛知県出身。イーク表参道副院長。産婦人科専門医。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。ヨガ指導者としても女性の健康を支えている。著書に『更年期に効く 美女ヂカラ』(リベラル社)、『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)など多数。
取材・文/小山内麗香