心得3:せっかく〇〇なのに……は封印。こだわりはみな違う
親孝行旅ということで奮発をし、横浜の宿泊はホテルニューグランドへ。
旧館の建物はロケ地になることも多い、趣のある素敵な空間。マッカーサーや大佛次郎氏が逗留した歴史などの展示もあり、ナポリタンやプリンアラモード発祥といわれる館内のコーヒーハウス 「ザ・カフェ」は行列ができるほど人気です。
宿泊記念に、旧館の大階段で2人を写真にと思ったら、「いらない。写真は撮らなくていい」といわれ、「せっかく来たのに……」と残念な気持ちになった私。でも、あとで母から「先々のことを考えると、もう写真はあってもねえ。必要ないと思うようになったのよ」と聞き、なるほどと納得。その年齢にならないとわからないことは、やはりあるものです。
翌日、一緒に行こうと楽しみにしていた「ザ・カフェ」に誘ったら、「別にのどは乾いてないし、お茶なら部屋でいい」と言われ、再びブルーに。でもカフェで親とお茶をしたかったのも、プリンアラモードを食べたかったのも私。世代が違うと志向や考え方、価値観が異なるのは当たり前のこと。自分のこだわりを押し付けるのはよくなかったと、あとで反省をしたのでした(体力的な問題もありますしね。振り返ると関西からの移動で疲れもあったのだと思います)。
「せっかくだから◎◎」は、誘うのはOK。でも気乗りしないようなら無理強いしないこと。環境が許されるなら「そう、じゃあ行ってくるね」と別行動するぐらいの気持ちでいるとよいでしょう。
心得4:別々で過ごす時間も必要。そして自分も楽しむ
今回は行程も長く、別の客室をとったのが大正解。普段一緒に暮らしていないと、お互いに小さなことでストレスが蓄積され雰囲気が悪くなることも。適度な距離感や別行動の時間をとることも大切です。
また、寄港地「鹿児島」で私はどうしても観光列車に乗りたく、あらかじめ父母と別行動をする旨を告げていました。すると、自分たちで調べてタクシーをチャーター。日帰り温泉に行き、ウナギのおいしい店で昼ご飯を食べ、ちょっと観光してと、大満足でご機嫌に帰ってきました。
高齢で心配だという気遣いや、せっかくならこんな経験もという思いから、つい過干渉になっていたところもあったかも……とこのときに気が付きました。もちろん体力や性格にもよりますが、特に父はもともと旅やイベントの計画も好きな人。自分のペースで行きたいところに行くほうが、むしろあっていたのかもしれません。