週2~3日のペースで検査を受けていた
私の場合、MRI検査だけをしている病院で検査をして、そのデータを持って大学病院で精密検査を受けるというコースだったので、1日目で何か重大なことを聞かされるような気がしていたの。けど、実際はそんなことはなくて、担当医から「では次は〇〇の検査ですがいつにしますか?」と聞かれ、週に2〜3日のペースで検査、検査、また検査。そのうち大学病院っていったって、結局、何にもわかんないじゃね?という不信感でいっぱいになり、そうなると「ああ、どうにでもなりやがれ!」って開き直りよ。
夜中にこうしている間にも「卵巣がん」の細胞が好き勝手にお腹の中で増殖しているんじゃないかと思って、また膨らんだような気がするお腹をそっと撫でたりしたりして。それがいよいよ「初期の卵巣がんの可能性が高い」という結論が出て、入院、手術。
「がんではなく、境界悪性腫瘍でした」という結果を担当医から満面の笑みで告げられ、たくさんの看護師さんにお世話になった12日間の入院生活。退院したときは、さんざん心の中で吐き散らした大学病院に対する悪口はすっかり消えて、感謝の気持ちだけになってたっけ。
2時間待って担当医が告げたこと
そんなことを思い起こして病院のカフェでお茶を飲んだ後、予約時間の少し前にCT検査室へ。こちらは10分も待たずに丸いドーナツ型の検査機に横になって、はい、おしまい。ところがそれからが長かった。13時半の予約なのに14時半になっても名前を呼ばれない。
15時。いくらなんでも遅すぎるよ。私のCTの画像に何かヤバいものが写っていて解析に手間取っているんじゃないかしら。CTを撮るには昼ご飯は食べちゃダメと言われているから、お腹は空いてくる。待合室でじっとしているとロクなことを考えないわよ。
で、やっと私の名前が呼ばれ、なつかしい担当医は「お待たせしました。画像は、今日のところは何もないですね。あと今日は血液検査をして、その結果、何か問題があれば電話で知らせます」と言ってニッコリ。2時間待って2分の、大学病院の見本のような診察はこうして終わったんだけどね。
私は安心していいのか、心配したほうがいいのか。相変わらず棚上げになったまんまよ。とはいえ、週に1、2度はヨガをして、月に2回は神楽坂の鍼灸師で鍼治療。天気のいい日の移動はバイクにまたがっている。やっと手術前に戻った感じ。次の検査は12月末。それまでまた気をもんだり、病気のことを忘れたりするのかしら。
◆ライター・オバ記者(野原広子)
1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。
【353】66歳オバ記者、階段で感じた衰え「体が動かない」 専門家に聞いた“上るコツ”とは?