食べ物を味わうのは舌。しかも舌先の3分の2に、味覚に特化した神経が通っているんだって。だから、その舌先に食べ物でも汁物でものせて、食べ物の形がなくなるまで味わい噛んでから、飲み込む。それだけでいつもり半分の量でも満足して、「もういいや」と思えるというの。飲み込んだあとは、胃で食べ物の「温度」と「重さ」を感じようとするんだって。
まず試したのは、わかめの味噌汁。これを舌にのせたときの、だしの味、発酵したみその味、そして具のわかめの味は、衝撃的としかいいようがなかったね。舌で感じた味が、脳全体にじわんと広がって、なんだか危ない遊びでもしているみたい。
次に舌にのせたのは、白いご飯。舌先にのせるんだから、箸の先でつまんだくらいの量だけど、それでも舌からじわーっと甘さが脳に伝わってきて、ご飯粒を前歯で半分にし、4分の1にすると、そのたびにご飯のおいしさがじわーん、じわーんと来るの。ご飯はこのくらい口に入れて、舌先で味わいながら、米粒をひとつずつ前歯でかみ砕くように噛むと、一食、写真の量で満足するの。
よく噛んで食べると少しの量でも太らないという話は、耳タコで聞いてきたけど、これが言うほどやさしいことじゃないんだよ。喉の奥に入った食べ物は、どんどん胃に落ちて、いったんスイッチが入ると、もうどうにも止まらない。