「再熱除湿」方式の除湿に注意
湿度を下げると体感温度も低くなります。そう聞くと「除湿」や「ドライ」モードで湿度を下げたくなりますが、その前にエアコンの機能を確認する必要があります。
エアコンの除湿機能には「弱冷房除湿(ドライ)」と「再熱除湿」の2つの方式があり、どちらかの方式が使われています。電気代節約という観点では「再熱除湿」機能を持つエアコンであれば除湿はおすすめできません。なぜなら、エアコンが湿った空気を取り込み、冷やして湿気をとったあとに再度暖めて適温に調整することで乾燥した空気を部屋に送る仕組みのため、空気を再加熱する際に電力が消費され、冷房運転よりも電気代が高くなる傾向にあるからです。
弱めの冷房運転で冷やして湿気を取る「弱冷房除湿」は、再熱除湿ほど電気代がかからず、冷たい空気が出てくるのでより涼しく感じるでしょう。
使っているエアコンの除湿機能がどちらの方式かわからない場合は除湿機能は使わず、冷房の設定温度を上げて使うことで対策しましょう。冷房運転でも除湿されますので、弱冷房除湿は設定温度高めの冷房運転と考えても大丈夫です。
涼を取る工夫も並行して
一軒家にお住まいであれば、打ち水のように、日本で昔から行われてきた涼を取る方法を試してみるのもいいでしょう。
打ち水は、朝晩の日が当たらない時間帯に庭やベランダに水をまくことで、蒸発する際に水が地面から熱を奪うので、涼しく感じられます。ただし、暑い時間にやると湿度が上がって蒸し暑く感じてしまうので、あくまで日が出ていない涼しい時間帯に行う必要があります。また、お風呂の残り水を撒くことで、余計な水道代もかけずにすみます。
晴れている日は、風が入ってくる窓の外に濡れたシーツを干しておくと、シーツが乾く際に気化熱として熱を奪って水分が蒸発します。
◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん
節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/
構成/吉田可奈