性に関することはタブーじゃない
性交渉がフェムゾーンの異変に気づくきっかけになることもあるのだそうです。さらに、性生活を充実させることで、女性の幸せにつながると関口さんは言います。
「患者さんを見ていると、一人暮らしをしている更年期以降の女性ってすごく元気だなと感じます。自立して、彼氏がいて、1週間のうちにデートをしたり、孫と会ったり、女友達とも楽しく遊んでいたりと充実している人がたくさんいるんです。
『元気ね、おばあちゃん』なんて言われていた人でも、いつかは必ず亡くなります。『あんなに元気だったのに、あっという間ねぇ』と言われてこの世を去るような、ぴんぴんころりが幸せだと考える人は多いのではないでしょうか」
元気に暮らすならば、尿もれがあっては充実した生活を妨げる原因になりますし、性交渉を躊躇することを悲しく思うことになるでしょう。
「歯がなくなったら困るから口腔ケアをするように、腟が萎縮したら困るからフェムゾーンケアをする、くらいの考え方でいいんです。性に関することはタブーのように感じがちですが、フラットに考えて、いつも元気で楽しく、自分らしい人生を生きることが女性の幸せにつながるように思います」
◆教えてくれたのは:一般社団法人日本フェムテック協会代表理事・関口由紀さん
女性医療クリニックLUNAグループ理事長、(株)フェムゾーンラボ社長、女性泌尿器科医師、医学博士、経営学修士、横浜市立大学客員教授、日本泌尿器科学会専門医、日本東洋医学会専門医、日本性機能学会専門医、日本排尿機能学会専門医。2006年に横浜元町女性医療クリニック・LUNAを開業。2022年に女性のためのインターネットサイト「フェムゾーンラボ」を開設し、『女性のからだの不調の治し方』(徳間書店)など著書も多数。www.luna-clinic.jp
撮影/小山志麻 取材・文/イワイユウ
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