更年期以降の女性に増える、骨粗しょう症。「女性ホルモンの減少によって骨密度が低下し、骨粗しょう症になりやすい傾向があります」と話す薬剤師の山形ゆかりさんに、骨密度をアップさせる生活習慣や栄養素、漢方薬について教えてもらいました。
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骨密度と健康の関係
骨密度とは骨の強さを示す指標で、成人(44歳まで)の骨密度の平均値(100%)と比較したときに、80%以上を正常、70%未満を「骨粗しょう症」と診断します。骨密度の検査は主に整形外科で受けることができ、痛みもなく5〜10分ほどの短時間で済むので、骨密度が気になる場合は一度調べてみてもいいでしょう。
骨粗しょう症になると、背骨が体の重みを支えきれずにつぶれるため、痛みが生じたり、背が縮む・背中や腰が曲がるなどの見た目の変化があらわれたり、骨がもろくなることで、ちょっとしたはずみで骨折するなど、日常生活への支障が起こる可能性があります。
更年期以降に骨密度が低下する原因はエストロゲンの減少
更年期以降の女性の骨密度が特に低下しやすい理由は、加齢によって骨を新しく作り替えるスピードが低下することや更年期の女性ホルモン(エストロゲン)の減少です。
骨は、古くなった部分を溶かし、新しく作り替える作業が常に行われることで丈夫に保たれています。しかし、加齢によって、骨を作るよりも溶かすスピードの方が上回ってしまうため、骨密度が低下しやすくなります。
また、骨を新しく作り替える骨芽細胞(こつがさいぼう)を活発にする働きがあるエストロゲンが減少し始める更年期以降は、特に注意が必要です。
ほかにも、骨を形成するために必要な栄養素や運動が不足することも、骨密度に悪影響を及ぼす一因になりえます。