9月頃から収穫が始まり、春先まで続くクワイの出荷の最盛期は12〜1月頃です。「クワイは“芽が出る”ことから、縁起物としておせち料理に含め煮としてよく使われます。でも、おせちだけでなく、普段の食卓で煮物や素揚げなどにしていただくのもおいしいです」と話すのは、野菜ソムリエプロの福島玲子さん。クワイを買うときのポイントや、正しい保存の方法を教えていただきました。
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クワイの選び方 実と芽それぞれのポイント
ピンポン玉ほどの大きさの実から、芽が伸びるクワイ。選ぶときのポイントは、実と芽それぞれにあります。
クワイの実は皮と色味、かたさを確認!
クワイを選ぶときは、まずは実の部分をチェックしましょう。皮が乾燥せず、表面がつやつやで傷のないものが◎です。色は紫または青みがかっていて、色味が均一なものがよいです。形がまん丸で、実がよく詰まっていてかたいかも確認しましょう。
ちなみに、実が大きいものは食べごたえがあるので煮物に、小さいものは火が通りやすいので素揚げするのが使い勝手がよくおすすめです。
食べられる芽は、よく伸びているかチェック
芽の部分も、ハリがあってしっかりと伸びているかチェックしましょう。
クワイの芽は多少苦みはありますが食べられますので、調理の際に皮を剥くとき、芽を切り落とさないように気をつけながら、六方から八方剥きにしましょう。芽は好みの長さにそろえて、皮は底から上に向かって剥くと◎です。
乾燥から守るクワイの冷蔵&冷凍保存
クワイは水の中で育つ水生植物なので乾燥が大敵です。冷蔵でも冷凍でも、保存する際は乾燥から守ることが第一です。
冷蔵保存は、期間によって方法を変えてOK
2〜3日程度の保存期間であれば、湿らせたキッチンペーパーで包んでから保存袋に入れ、野菜室で冷蔵保存します。
保存期間を1週間程度まで延ばしたいときは、ボールなどの容器に水を張って、その中に浸して冷蔵庫に入れましょう。栽培時と同じ状態にすることで、長持ちさせることができます。
クワイは冷凍保存もできます。洗ってから皮を剥き、茹でてから熱を冷まし、保存袋に入れてから冷凍室へ。1か月程度保存できます。
クワイはアクが強い野菜なので、気になる場合は冷凍する前にアク抜きをしましょう。水か米のとぎ汁を鍋に入れ、ある程度やわらかくなるまで煮ればOKです。
冷凍したクワイは食感が少し失われるので、炒め物や揚げ物よりもスープの具や煮物などに使い、ほくっとさせるのがおすすめです。一度茹でて火を通しているので、そのまま鍋に入れて使えて便利ですよ。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ
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