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《新年祝儀の儀で4年ぶりにご着用へ》皇后雅子さまたち女性皇族のティアラ姿 130年以上前から受け継がれたものから新調されたものまで

ご成婚パレードで雅子さまが着用されたティアラ(2019年11月10日、Ph/JMPA)
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2024年1月1日に行われる「新年祝賀の儀」で皇后雅子さまをはじめとする女性皇族方がティアラを着用される方向で、宮内庁が調整を進めていると報じられました。ティアラの着用はコロナ禍で苦労する国民に考慮し、2021年から着用が控えられていました。もし、実現となれば4年ぶりになります。そこで、今回はこれまで女性皇族方がお召しになったティアラを紹介します。

雅子さまから紀子さまへ受け継がれた「皇太子妃の第一ティアラ」

1993年、天皇皇后両陛下(当時は皇太子ご夫妻)のご成婚パレードで雅子さまが着用されていたのは「皇太子妃の第一ティアラ」、「皇太子妃のティアラ」と呼ばれるもので、美智子さまから受け継がれたものです。

1959年に美智子さまが成婚される際、香淳皇后が皇太子妃として使われていたティアラのダイヤモンドを生かし、ティアラをリフォームしました。ミキモト(当時は御木本真珠店)の田居克己さんがデザインをしたティアラは唐草模様が特徴的で、1000個ものダイヤモンドがあしらわれているそうです。

ティアラをお召しになり笑顔を浮かべられる雅子さま(1993年6月9日)
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パレードの出発前、おふたりが顔を見合わせるシーンも(1993年6月9日)
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天皇陛下と雅子皇后
「結婚の儀」を行った当時皇太子だった天皇陛下と雅子皇后(1993年6月9日、Ph/JIJI PRESS)
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天皇陛下と皇后陛下がご成婚時にオープンカーにのって沿道に手を振っていらっしゃる
手を振られる天皇皇后両陛下(1993年6月9日、Ph/JIJI PRESS)
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現在は紀子さまの元へと受け継がれています。紀子さまは2020年11月8日の「立皇嗣の礼」が皇居で行われた際にお召しになっていました。

立皇嗣の礼での勲章にえんび服姿の秋篠宮さまとティアラにローブデコルテ姿の紀子さま
「皇太子妃第一ティアラ」は紀子さまに受け継がれている(2020年11月8日、Ph/JIJI PRESS)
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洋装で立皇嗣の礼の儀式「朝見の儀」に臨まれた天皇皇后両陛下と秋篠宮ご夫妻
「朝見の儀」に臨まれた秋篠宮ご夫妻(2020年11月8日、Ph/宮内庁提供)
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雅子さまからティアラを受け継がれる前の紀子さまのティアラ姿 (1990年6月29日、Ph/宮内庁提供)
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紀子さまはご成婚の時からティアラを着用されている(1990年6月29日、Ph/JIJI PRESS)
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紀子さまのドレスは美智子さまが推薦されたというデザイナー・中村乃武夫さんによるデザイン(Ph/宮内庁提供)
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明治時代から代々受け継がれた「皇后の第一ティアラ」

2019年11月、天皇陛下の即位を祝うパレード「祝賀御列の儀」で「皇后の第一ティアラ」と呼ばれるものを着用された雅子さま。「皇后の第一ティアラ」は1886年、ドイツにドレスとティアラ、ネックレスなどの装飾品を発注し、明治時代の皇后、昭憲皇太后のために作られたものといわれています。当時の新聞ではブリリアントカットのダイヤモンドが60個、使用されていると報じられたそうです。その後、代々の皇后が身につけ、美智子さまから雅子さまへ受け継がれました。

宮内庁の内部資料に「皇后陛下御正装の装身具類」として「冠(ダイヤ)A型」「冠(菊型)B型」と記載されています。雅子さまが受け継がれた第一ティアラは「A型」、「B型」は美智子さまがおつけになる菊の花をモチーフにしたティアラとされています。

美智子さまから受け継がれたティアラは60個のダイヤモンドが使用されているという(2019年11月10日、Ph/JMPA)
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燕尾服とローブデコルテ姿の天皇皇后両陛下
明治時代から代々受け継がれたティアラを着用される雅子さま(2019年11月10日、Ph/JMPA)
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目頭をそっとおさえられる雅子皇后(2019年11月10日、Ph/JMPA)
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オープンカーに乗って涙を拭われる雅子さま
星の飾りは外した状態で着用されている(2019年11月10日、Ph/JMPA)
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沿道に集まった人々に笑顔でお応えになる天皇皇后両陛下
沿道に集まった人々に笑顔でお応えに(2019年11月10日、Ph/JMPA)
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2019年11月の即位パレードで車に乗る天皇皇后両陛下
「皇后の第一ティアラ」と呼ばれるものを着用された雅子さま(2019年11月10日、Ph/JMPA)
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多くの日の丸の旗がふられた(2019年11月10日、Ph/JMPA)
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パレードはテレビでも生中継された(2019年11月10日、Ph/JMPA)
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この日のために用意されたトヨタのセンチュリーの特別車(2019年11月10日、Ph/JMPA)
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中央のダイヤは21カラット(2019年11月10日、Ph/代表撮影)
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中央のダイヤは21カラットで、ティアラの先端に9つの星が輝くようなデザイン。星の飾りは取り外すことができます。美智子さまも、雅子さまも外した状態でつけられていました。

皇上皇后両陛下(当時は天皇皇后両陛下)と天皇皇后両陛下(当時は皇太子と皇太子妃)
雅子さまのティアラは美智子さまから受け継がれたものだという(1993年6月9日、Ph/宮内庁提供)
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眞子さんと佳子さまは新調されたティアラを

女性皇族のティアラは、歴史あるもの以外に新調されるものもあります。小室眞子さんが成人した際に作られたティアラは銀座・和光が制作したもので、ティアラを含めた宝飾品一式で約2856万円でした。公費で作られたティアラは皇室を離れる際には国に返すことになっているため、現在は返却され、宮内庁で保管されているそうです。

ティアラは銀座・和光が制作(2011年10月23日、Ph/JMPA)
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このときは理想の男性像について「確たるものはない」と語っていた(2011年10月23日、Ph/JMPA)
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ティアラを含めた宝飾品一式で2856万円(2011年10月23日、Ph/JMPA)
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襟がやや細くなったデザイン(2011年10月23日、Ph/JMPA)
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また2014年に制作された佳子さまのティアラは、宝飾品一式で約2793万円。業者を一般から公募し、適格とされた5社から、黒田清子さんのティアラなどを製作した実績があるミキモトが選ばれました。

佳子さまのティアラはミキモトが受注(2014年12月29日、Ph/JMPA)
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結婚について考えていないと語った佳子さま(2014年12月29日、Ph/JMPA)
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佳子さまのティアラは宝飾品一式で約2793万円(Ph/JMPA)
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愛子さまは黒田清子さんのティアラを

愛子さまは両陛下と相談され、コロナ禍の国民生活への影響を考慮し、ティアラを新調せず、天皇陛下の妹・黒田清子さんのティアラを借りました。上皇ご夫妻の私費で作られたため、2005年に結婚された後も清子さんが所有していました。

ローブ・デコルテ姿の愛子さま
笑顔を見せられる愛子さま(2021年12月5日、Ph/JMPA)
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ローブ・デコルテ姿の愛子さま
黒田清子さんから借りられたというティアラにも注目が(2021年12月5日、Ph/JMPA)
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ローブ・デコルテ姿をお披露目になった愛子さま(2021年12月5日、Ph/JMPA)
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今年の8月、物価高の中での国民感情と両陛下のお気持ちを考慮し、来年度の概算要求にティアラの制作費が入れられなかったことを宮内庁が明らかにしました。国民に寄り添われる天皇ご一家のご決断に称賛の声が広がりました。

第一ティアラと呼ばれるもの以外にも、第二、第三とさまざまな種類のティアラがあり、そのなかには雅子さまが未だ、つけられたことのないものもあります。困難な時代を乗り越え、2024年の1月1日にやっと解禁されるティアラ姿。雅子さまがどのティアラをお召しになるか大きな注目を集めそうです。

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