冬に旬を迎える長いもは、さまざまな栄養をたっぷり含んでいます。「長いもには、ダイエットに適した栄養素が多く含まれています。また、調理中にかゆみを感じることから避ける人もいると思いますが、対策もできます」と話すのは、野菜ソムリエプロの福島玲子さん。詳しい栄養素と、おすすめのレシピを2つ教えてくれました。
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ダイエット向きの長いもの栄養&かゆみを防ぐ方法
食物繊維や消化酵素が多いことから、お腹の調子を整える効果が期待できる長いも。滋養強壮にいいと言われるのも、とある栄養素によるものです。
胃腸の働きを助ける!ダイエットにおすすめの栄養素
不溶性食物繊維をたっぷりと含んでいる長いも。水分を吸収してふくらみ、腸を刺激して便通を促進する成分で、噛みごたえがあるので満腹感を得やすいです。また、むくみ解消に役立つカリウムも豊富なので、長芋はダイエット中の人にもおすすめできる野菜です。
不溶性食物繊維と同様に、胃腸の働きをよくする消化酵素のジアスターゼも豊富です。このジアスターゼがでんぷんの消化を助けるので、いも類の中でもじゃがいもやさつまいもと違って、長いもは生食が可能なんです。
さらに、糖質の代謝をサポートし、疲労回復効果のあるビタミンB1も含んでいるため、体に元気を与えます。これが滋養強壮にいいと言われる理由でしょう。ビタミンB1は水に溶け出しやすく熱に弱い栄養素なので、効率よく摂るならば生食がいいでしょう。
長いものかゆみの原因の栄養素は何?対策法も紹介
長いもを調理しているときに手がかゆくなってしまうのは、シュウ酸カルシウムという栄養素によるものです。シュウ酸カルシウムは、針状の結晶でできていて、この結晶が皮膚に刺さることでかゆみが起きると言われています。シュウ酸カルシウムは、酢など酸性で溶ける栄養素です。皮を剥いた長いもを酢水にさらしたり、触る前に手を酢水につけたりといった対策すると改善が期待できます。
2つの食感を楽しむ長いものレシピ
長いもは和風の味付けだけでなく、オイスターソースを使って中華風に仕上げるのもおいしいですし、マヨネーズとパルメザンチーズと一緒に和えてサラダにしても相性がいいです。そこで、おすすめのレシピ2つを紹介します。それぞれ、長いものほくほく感とシャキシャキ感を楽しめる調理法です。
「長いものオイスター焼き」のレシピ
《材料》(2人分)
長いも…1本(約250g) オイスターソース…小さじ1 しょうゆ…小さじ1 サラダオイル…大さじ1/2
《作り方》
【1】長いもは皮を剥き、7mm幅の輪切りにする。繊維を断つように横にカットすることで、甘みが増してホクホクの食感に仕上がります。
【2】フライパンにサラダオイルをひき、中火で長いもの両面に焦げ目がつくように返しながら約7分焼く。ゆっくり火を通すことでやわらかい歯ごたえに仕上がります。
【3】【2】にオイスターソースとしょうゆを合わせて加え、味をなじませたらでき上がり。
「長いものパルメザンマヨサラダ」のレシピ
《材料》(2人分)
長いも…1/2本(100g)
【A】マヨネーズ…大さじ1/2 パルメザンチーズ…大さじ1 塩…少々 白ごま…適量
《作り方》
【1】長いもを短冊切りにして、ボウルに入れる。繊維に沿って細めに切ることで、長いものシャキシャキ食感を引き出します。
【2】【1】にあらかじめ混ぜておいた【A】を加え、よく和えたら完成。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ