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プロが教える「60 代の下着選び」老けボディーの原因は“段差”にあり!ブラジャー、ショーツ、ガードル…キレイに見せるには?

ブラジャーをつけている女性
60代の下着選びをプロが指南(写真/イメージマート)
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体重は若い頃とあまり変わっていないのに、Tシャツを着ると脇やお腹に段差が発生!「これはヤバい!」とダボッとした服を着れば“オバ化”が加速する…。実はそれ、下着のせいかもしれない。60代の下着選びをプロが指南する。

老けボディーの原因は段差にあった!

年齢とともに体形や体質が変わり、若い頃とは違う悩みが出てくる。その変化について、インナーウエアコンサルタントのおぬまともこさんが解説する。

「若い頃はパンとしたハリがあり、バストトップの位置も高いのですが、閉経を機に卵巣機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン)が減少すると乳腺組織が縮小。バストの構成要素である脂肪の割合が増加する傾向にあります」

その脂肪の重さでバスト上部(胸元)のボリュームがダウン。そして左右に広がりながら下垂し、鎖骨からバストトップまでが長くなっていくのだ。

「脂肪が増えたバストはやわらかくなり、ハリを失うため、ぴったりしたTシャツなどを着ると脇や背中のブラジャーラインや段差が目立つようになります」(おぬまさん・以下同)

ではヒップの変化はどうだろう。若い頃はキュッと上がっていた“桃尻”も、年齢とともに大殿筋などのお尻を支える筋肉が衰え、脂肪が下がっていく。

「まず、お尻と太ももの境界線が曖昧になり、メリハリのない四角い形に変形。下垂とともにショーツから肉がはみ出し、スリムなジーンズなどをはくとボコボコとしたシルエットになってしまいます」

(イラスト/あらいぴろよ)
老けボディーの原因は段差に(イラスト/あらいぴろよ)
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もちろんウエスト周辺も脂肪がつきやすくなる。

「下腹部全体がせり出してくびれがなくなり、座ると2段、3段と腹部に段差が生じます。“ウエストはバストとヒップよりも細いという常識”が、通用しない体形になるのです」

間違った下着では体に食い込み、凸凹が発生し、何とも悲しい老け見え体形になるのだとか。これを防ぐ方法はないものかとお嘆きのあなた、正しい下着選びに一縷の光が…。さっそく見ていこう。

“いまの体”をキレイに見せる下着の選び方

若い頃と同じような下着や合わないサイズは老け見えのもと。何をどう選べばいいのか? その疑問を解決する。

《ブラジャー編》

【疑問】自分のサイズを把握していれば、試着は不要?

・年齢によって合う下着は全然違う!

「『私のバストサイズはB70』など、はるか昔に測ったサイズを頼りに下着を購入する人は意外と多い」と言うのは、ランジェリーライターの川原好恵さん。

「スタイルをよく見せるには専門店や百貨店などで試着をして、現在のサイズを把握する。通販の場合でも、ホームページを見ると取扱店やポップアップストアの情報が掲載されていることもあるので、出向いて確認してから購入しましょう。

また、60代は体形や肌への感じ方が変わりやすいため、まとめ買いは避けて」(川原さん)

年齢によって合う下着は全然違う
年齢によって合う下着は全然違う(イラスト/あらいぴろよ)
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【疑問】華奢なデザインが好きなんだけど…

・アンダーベルトは、太いタイプ一択

「アンダーベルトが細いと、加齢によりやわらかくなった肉が上に乗ってしまい、段差が生じてしまいます(左上イラスト参照)。特に、脇から下の部分の幅は10㎝程度ある、ハミ肉をしっかりホールドできるものがベストです」(おぬまさん)

【疑問】着用時の不快感の原因は、やっぱりワイヤー?

・ワイヤーの有無ではなく自分に合ったサイズを

ワイヤーが痛い、窮屈と感じているなら、まずサイズを確認してほしい。

「着用時の不快感の原因がワイヤーだと思うかたがいますが、実はサイズが合っていないブラジャーを着けていることが多いんです。着け心地にワイヤーの有無は関係ありません」(川原さん・以下同)

【疑問】ナイトブラは着けなくてもいい?

・「着けた方がいい」とは限らない

「『バストの形の崩れが気になる』『寝返りの際にバストが揺れて睡眠を妨げる』というかたは、着けるとよいでしょう。ただし、窮屈に感じるなど不快感がある場合は、おすすめしません」

【疑問】ブラトップは胸が垂れるし、若い人向け?

・60代でもOK!特に夏は活用して

「ブラトップは快適な着け心地のものが多いのですが、ボディーメイク力はあまり期待できません。そのため『ブラトップは胸が垂れる』と敬遠するかたがいます。が、首まわりのあいたトップスや生地の薄い服を着る機会が多い夏は、ファッションの幅を広げるのでおすすめ。“見せてOK”のインナーとしても使えるため、透け感のあるトップスもスマートに着こなせます」

てOK”のインナーとしても使えるため、透け感のあるトップスもスマートに着こなせる
ブラトップは、“見せてOK”のインナーとしても使えるため、透け感のあるトップスもスマートに着こなせる(イラスト/あらいぴろよ)
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ブラトップの選び方のコツはあるのか?「ユニクロ」PR担当者が説明する。

「ブラジャーのカップサイズが目安です。弊社のオンラインサイトにはサイズ表があるので、それを参考にしてください。迷う場合は、ふだん着ているトップスのサイズを参考に。バストの大きいかたはワンサイズ上げて、店舗での試着をおすすめします」

 《ショーツ篇》

【疑問】股上深めはいかにも「オバサン」っぽい…

・「3段腹」を防ぐには股上深めが正解

「ウエスト丈がおへそに届かない股上の浅いショーツは、下腹の肉が乗り、段差を生み出します。

また、加齢で縦長になったお尻に小さいショーツを合わせると、膨らみ部分に布地の端がきて押しつぶされるうえ、ヒップを充分に包み込めず、下辺に脂肪がはみ出してしまいます。はき心地がよく、ポッコリお腹も包み込むジャストウエストタイプがおすすめです」(おぬまさん)

【疑問】たまにかゆいのじゃサイズが小さいから?

・ゴムやタグが原因かも

「下着の素材や擦れが原因で、かゆみが出るケースがありますが、ゴムの影響も多いのです。

加齢により肌は敏感になりがち。トラブルを感じている場合は、できるだけゴムを使用していないものを選びましょう。やわらかな総レースのショーツはレースの伸縮性で体にフィットします。シームレスや裾などが切りっぱなしの仕様もおすすめ。段差ができにくいのも利点」(川原さん)

《ガードル編》

【疑問】年ととったらおうガードルはキツイ

・オーバー60こそガードル必須

筋肉量は20代をピークに減り始め、50代から急激に減少するといわれている。「筋肉が減ると骨盤まわりを支える力が弱くなります。それをサポートしてくれるのがガードル。はいた方がラクに過ごせ、体形もスッキリ見えます」(おぬまさん・以下同)

オーバー60こそガードル必須
オーバー60こそガードル必須(イラスト/あらいぴろよ)
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【疑問】なるべくキツイものでやせ見えできる!?

・かえってデブ見えするのでワンサイズ上を選ぶこと

「補整効果を期待してキツイガードルをはくと、お腹は凹みますがつねに苦しい状態に。しかもお尻を押しつぶしてしまいます。ワンサイズ上げると適度にお腹を押さえ、ヒップの丸みをキープ。家でもはけるぐらい快適なはき心地です」

【疑問】いつもショート丈を使っています

・ラインをきれいに見せるならロング丈を

「スッキリとしたボディーに見せたいならロングタイプ一択。はみ肉や下着の線をカバーし、滑らかなボディーラインを叶えます」

ゴムを使用していないタイプもおすすめだ。

「生地が薄く、切りっぱなしでゴムが入っていなければ段差にならず、ロング丈でも太ももに食い込みません」(川原さん・以下同)

ラインをきれいに見せるならロング丈を
ラインをきれいに見せるならロング丈を(イラスト/あらいぴろよ)
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【疑問】ショーツとガードルの重ねばきが苦手です

・ガードルは1枚ばきが鉄則

「いまどきのガードルは1枚ばきが主流。ショーツと重ねると、そこに段差ができるので避けましょう」

60代以降におすすめ!着け心地よくキレイに見せる下着7選

やわらかいバストを包み込むブラジャー、おへそまで届くショーツなど、年を重ねたいまの体に合う下着を紹介する。

《ワコール》やさしい肌あたりで快適な着け心地

「フルカップブラ」(7480円~/ワコール)は、外付けワイヤーで肌あたりを軽減。アンダー部分に伸縮性があるため、着け心地が快適。

「フルカップブラ」7480円~/ワコール
「フルカップブラ」7480円~/ワコール
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「極薄タイプガードル(ロング丈)」(7480円~/ワコール)。裾は肌に食い込みにくいフリーカッティング素材。ウエストは折り返しにより、お腹に食い込みにくい。

「極薄タイプガードル(ロング丈)」7480円~/ワコール
「極薄タイプガードル(ロング丈)」7480円~/ワコール
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《キレイラボ》段差のない滑らかなボディーラインを演出

「ゴムやテープを使わず縫い目もないため、肌ストレスを軽減します」(川原さん)。

「ラクしてキュット ノンワイヤーブラジャー」(2530円/グンゼ)は、脇肉のはみ出しを押さえ、背中や脇の段差を解消する。「ラクしてキュット ノンワイヤーブラジャー」2530円。

「ラクしてキュット ノンワイヤーブラジャー」2530円/グンゼ
「ラクしてキュット ノンワイヤーブラジャー」2530円/グンゼ
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「ラクしてキュット ロングガードル」(2970円/グンゼ)は、長時間はいてもストレスフリーなやわらかさ。

「ラクしてキュット ロングガードル」2970円/グンゼ
「ラクしてキュット ロングガードル」2970円/グンゼ
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《ユニクロ》 汗をかいても乾きやすい「エアリズム」

「エアリズムコットンブラタンクトップ」(2290円/ユニクロ)は、360度の方向からバストを支える構造でずれにくい。ドライ・肌面平滑性・接触冷感・吸湿・放湿機能付きで夏に最適。

「エアリズムコットンブラタンクトップ」2290円/ユニクロ
「エアリズムコットンブラタンクトップ」2290円/ユニクロ
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「エアリズムシームレスショーツ/ジャストウエスト」(590円/ユニクロ)は、クロッチ部分はコットン素材を使用。

「エアリズムシームレスショーツ/ジャストウエスト」590円/ユニクロ
「エアリズムシームレスショーツ/ジャストウエスト」590円/ユニクロ
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《ゴールドレーベル バイ トリンプ》ボディーラインやシルエットの段差をすっきり整える

大人の女性のボディー悩みに美しく寄り添う、セルフケアランジェリーブランド。

「ブラジャー4005」(8910円~/トリンプ)は、背部にシルクプロテイン加工を施した、滑らかな肌触りのストレッチ素材が脇、背中にフィット。ボディーラインの段差をスッキリ整える。

「ブラジャー4005」8910円~/トリンプ
「ブラジャー4005」8910円~/トリンプ
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「マキシショーツ」4620円~/トリンプ
「マキシショーツ」4620円~/トリンプ
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《ツェルマット》伸縮性のあるやわらかなストレッチレースを使用

「カラー展開も豊富」(川原さん)。

「ノンストレスソフトブラジャー」(7480円~/パリスインターナショナル)は、脇の幅が15㎝と広くバスト全体を包み込む。ノンワイヤー。

「ノンストレスソフトブラジャー」7480円~/パリスインターナショナル
「ノンストレスソフトブラジャー」7480円~/パリスインターナショナル
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「ウエストレース カシュクール ヒップセンターギャザーショーツ」(4290円~/パリスインターナショナル)は、足の付け根部分にレースを使用し、鼠径部の圧迫感も軽減。

「ウエストレース カシュクール ヒップセンターギャザーショーツ」4290円~/パリスインターナショナル
「ウエストレース カシュクール ヒップセンターギャザーショーツ」4290円~/パリスインターナショナル
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《ヘブンジャパン》やさしい着け心地でありながら、きちんと補整

「ずっともっとブラ」(7480円/ヘブンジャパン)の前側は中心を高くしてバストを自然に持ち上げ、背中部分は広い面で支えて圧を分散。バックベルトの上辺にはテープを使わず、食い込みも防ぐ。

「ずっともっとブラ」7480円/ヘブンジャパン
「ずっともっとブラ」7480円/ヘブンジャパン
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「機能性深ばきショーツ」(2200円/ヘブンジャパン)は、パワーネットがお腹全体をほどよくサポート。締め付け感はない。

「機能性深ばきショーツ」2200円/ヘブンジャパン
「機能性深ばきショーツ」2200円/ヘブンジャパン
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《ウイング》締め付けにくく、やさしい着け心地

「フルカップブラ(ノンワイヤーブラ)」(2970円/ウイング ツヤカ)は、肩から脇の一枚布がバストの脇流れをサポートし、幅広のストラップで肩に食い込みにくい。バック上辺はフラット仕上げで背中を美しく見せる。

「フルカップブラ(ノンワイヤーブラ)」2970円/ウイング ツヤカ
「フルカップブラ(ノンワイヤーブラ)」2970円/ウイング ツヤカ
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「綿の贅沢 ショーツ」(990円~/ウイング)は、脇に縫い目がなく、ウエストや裾にはゴム未使用。

「綿の贅沢 ショーツ」990円~/ウイング
「綿の贅沢 ショーツ」990円~/ウイング
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※ウイング ツヤカは、ワコール×イオンの共同開発ブランド。

◆インナーウエアコンサルタント・おぬまともこさん

年齢とともに体形や体質が変化する女性に向けて、ラクに健康的におしゃれを楽しめるインナー活用術を提案。著書に『10歳若返るインナーの魔法!』(さくら舎)などがある。

◆ランジェリーライター・川原好恵さん

流通業界で販売促進、広報、店舗開発を経験後、フリーランスとして独立。下着通販カタログの商品企画などを経て、ランジェリーを中心に雑誌、新聞、ウェブサイトなどで執筆・編集を行う。

取材・文/藤岡加奈子

※女性セブン2025年6月26日号