
腸内環境を整えることは、免疫力アップに欠かせない。感染症が気になるこれからの時期におすすめの発酵食品を使った腸活スープ紹介する。料理家・管理栄養士の吉沼弓美子さんが教えてくれた、酒粕を使ったレシピをチェックしよう。
スープは冬の腸活に最適のメニュー
「秋から冬は、水分の摂取量が不足して便秘になりやすい季節。適度な水分が摂れて内臓を温めてくれるスープは、腸活にぴったりなメニューです」と話すのは料理研究家・栄養士の今泉久美さん。
「腸内環境を整えるために積極的に摂りたいのは、発酵食品と食物繊維が豊富な食材。スープはどちらとも相性がよく、かつひと皿にいろいろな食材を入れられるため、栄養のバランスがとりやすいのもメリット。年齢を問わず食べやすいのも、いいところですね」(今泉さん)
《スープが腸活にぴったりな理由》
・適度な水分を摂取できるから便秘解消に
・複数の具材を入れられるから栄養のバランスがとりやすい。
・内臓をやさしく温めて腸の働きをよくする
・食物繊維がおいしくたっぷり摂れる
・発酵食品とも相性抜群
【粕酒】菌の餌となる成分が豊富。豊かな風味とコクも加わる
日本酒を造る際に出る搾りかすで、特有の香りとコクがある。不溶性食物繊維に加え、菌の餌になる難消化性たんぱく質(大腸まで届くたんぱく質)が豊富。

「酒粕かきチャウダー」のレシピ
旬のかきとほうれん草のコンビ。酒粕がかきの旨みを引き立てる。
《作り方》(2人分)
【1】かき150gは塩水で洗ってペーパータオルで水気を拭き取る。玉ねぎ1/3個は7~8mm大の角切りにし、ほうれん草1/4束は2cm長さに切る。
【2】鍋にバター15gを弱火で熱し、玉ねぎを入れて3分炒め、小麦粉大さじ2を加えてさらに1分炒める。
【3】水1と1/2カップ、酒粕50gを加えて中火にし、煮立ったらかきを加えて弱火で5分煮る。ほうれん草を加えてさっと煮る。
【4】牛乳1カップ、生クリーム1/4カップを加え、再び煮立ったら塩小さじ1/4で味を調える。器に盛り、粗びき黒こしょう適量を振る。
オリゴ糖が含まれる玉ねぎと、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方がバランスよく含まれるほうれん草を合わせて。
「トマトとツナの酒粕スープ」のレシピ
ツナ缶と酒粕のコクでトマトの酸味がまろやかに。

《作り方》(2人分)
【1】玉ねぎ1/5個、にんにく1/2片はみじん切りにし、えのきたけ1パックは石づきを除いて2cm長さに切る。
【2】鍋にオリーブオイル大さじ2、玉ねぎ、にんにくを入れて弱火で炒める。カットトマト缶(水煮)160g、ツナ缶(オイル漬け)1/2缶(35g)、えのきたけ、酒粕40g、コンソメ(顆粒)小さじ2、水2と1/2カップを加えて中火にし、煮立ったら弱火で10分煮る。塩小さじ1/4、粗びき黒こしょう適量で味を調える。
【3】器に盛り、粉チーズ・粗びき黒こしょう・パセリのみじん切り各適量を振る。
《Point》
トマトに含まれる水溶性食物繊維・ペクチンが便を柔らかくし、クエン酸が消化を助ける。えのきたけにも不溶性食物繊維がたっぷり。
「酒粕入り台湾風スープ」のレシピ
ほろほろの豆乳を味わうシェントウジャン風スープ。

《作り方》(2人分)
【1】ザーサイ30g、干しえび10g、長ねぎ20gはみじん切りにする。
【2】器にザーサイ、干しえび、黒酢大さじ2、しょうゆ・ごま油各小さじ2を入れておく。
【3】鍋に無調整豆乳2と1/2カップ、酒粕60gを小さくちぎって入れて弱火にかけ、泡立て器で混ぜながら酒粕を溶かし、温める。
【4】【2】に【3】を注ぎ、長ねぎ、パクチーのざく切り適量をのせ、ラー油小さじ1をかける。
《Point》
豆乳に含まれる大豆オリゴ糖は菌の餌に。大豆たんぱく質から作られる大豆ペプチド、黒酢の酢酸は腸の蠕動運動を活発にする。
◆教えてくれたのは:料理家・管理栄養士・吉沼弓美子さん

料理教室『Cucina del Cielo』主宰。イタリアで家庭料理を学んだ経験を生かし、センスがよく作りやすい、体にやさしいレシピを提案。
撮影/広瀬貴子 取材・文/平井薫子
※女性セブン2025年12月25日・2026年1月1日号