
超高齢社会において、認知症の患者数は年々増加。決して他人事ではなく、自分はもちろん親や配偶者が認知症になる可能性もある。そうなった時に困らないために、本人が元気なうちに知っておくこと、調べておくこと、そして時には協力して進めておくことをまとめた。【全5回の第2回。第1回から読む】
施設見学は「なる早」がベスト、入居者たちの雰囲気を重視
認知症の進行につれて在宅介護の限界がくれば、高齢者施設への入居が有力な選択肢となる。だが、入居が必要になってから施設を探し始めても、なかなか見つからず、そもそも認知症の家族を連れて見学するのは非現実的といえる。施設探しは「元気なうちに」「とりあえず」見学に行くのが鉄則だ。ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんが言う。
「見学の時点で入居を決める必要はありません。ただし、イメージを膨らませるため、複数の施設を訪れておく必要があります」
施設見学の際にまずチェックすべきポイントは「入居者の様子」だ。永寿総合病院がん診療支援・緩和ケアセンター長の廣橋猛医師が話す。
「入居者の様子はいわばその施設に入ることになったときの未来の姿。快適そうにしていれば本人も同じように過ごせる可能性が高く、反対に入居者の姿が見えない施設は、寝たきりの人が多いと考えられます」(廣橋さん・以下同)

「看取りあり」とうたう施設も、安易に信用してはいけない。老衰で穏やかに亡くなる人の看取りしか行っておらず、酸素吸入や点滴などの医療行為が必要な人は医療機関に送っている施設も存在する。
「見学の際、どんな看取りをしているか聞いておきましょう。特に認知症は肺炎などで処置が必要なケースが多く、本当に最期までそこで過ごせるか確かめることが大切です」
認知症の症状に詳しいスタッフが複数在籍しているかもしっかり確認しておこう。知識に乏しいスタッフばかりだと、適切な生活を送れず症状が進行、悪化してしまう可能性もある。
いずれの施設も費用はかかるが、お金を理由に介護離職してまで在宅で介護するのは「介護疲れによる悪循環や関係悪化を招くため絶対にやってはいけない」と、黒田さんは念を押す。公的介護保険を利用すれば、費用は抑えられる。ただし利用には要介護認定が必要。認定を受けるには1か月ほどかかるため、早めの準備が肝心だ。

(第3回に続く。第1回から読む)
※女性セブン2026年3月12日号