テレビ番組での言動やツイッターでの発言でたびたび炎上騒動を起こしているお笑い芸人・クロちゃん(42歳)。それでも「全然気にしてないし」と言い切る最強メンタルの持ち主でもある。昨年、テレビ番組の企画で、脳動脈瘤が見つかり、「余命3年」を宣告されたが、手術が成功して退院。先日は、大腸に腫瘍性のポリープが見つかった。今の目標は、健康になること…ではなく、「棚橋選手のような体になって女の子にモテたい」ことだとか…。そんなクロちゃんが、カリスマダイエット専門医の工藤孝文さんに本音で相談した。
第1回目の相談内容は「筋肉を増やすためには、何をどう食べればいいか?」について。肉体改造を目指すクロちゃんは、これまでの常識を覆す新メソッドに仰天――。
* * *
工藤:クロちゃんは、脳動脈瘤の術後に15kgぐらい体重落としたんですよね。
クロちゃん:手術前までにもちょっと痩せて、トータルすると20kg近く落ちたんですかね。
工藤:今も維持している?
クロちゃん:う~ん、ちょっと戻しました。(マネジャーから「戻したんじゃなくて戻りました、です」とツッコミがはいる)
工藤:で、どんな体形になりたいんですか?
クロちゃん:体形的には、よく昭和のプロレスラー体形って言われるんですけど、どっちかっていうと「アンコ型(お腹の出た体形の力士のこと)」的な感じで言われることが多いです。でも、プロレス好きだし、新日本プロレスの棚橋弘至選手みたいな逆三角形でかっこいい体になりたいですね! そのほうが絶対、女の子にモテると思うんですよね。筋トレとか、プロテイン摂ったりとかいろいろしてるんです。
工藤:いろいろやってるのに、なかなか理想の体形にならないってことですか? お肉の量はどのくらい食べてます?
クロちゃん:肉は良質なプロテインだと思っているので、たくさん摂ってます!
工藤:週、何回ぐらい?
クロちゃん:週で言うと、7日ですね。食べない日はないですね。
「ベジファーストではなく、ミートファースト」
工藤:実は、肉好きにはたまらない「ミートファースト」という食べ方があるんです。肉を先に食べることで、筋肉がたんぱく質を摂り込みやすくなって筋肉が増える。ベジファーストじゃなくて「ミートファースト」。これ、おすすめです!
クロちゃん:えっ!? いいんですか、そういう食べ方って? 野菜食え、野菜食えって、なんかうるさく言われるから、お医者さんに。最近は、もう野菜から食べる習慣ついてますね。
工藤:野菜から食べるベジファーストは、腸に野菜(食物繊維)のカスがついて、たんぱく質や脂質の吸収を抑えますから、痩せたい人には合ってます。ただし、筋力を増やしたい人、痩せ形の女性、筋肉が衰えている高齢者などには、「ミートファースト」の方が断然いい。もちろん棚橋選手の体にも近づけますよ。
脂肪を燃焼させるLカルチニンが豊富な赤身肉を
クロちゃん:そうなんですか? ぼくは肉を食べすぎたら、“今、バルクアップ(筋肉を発達させて体を大きくすること)中!”って言ってるんです。でもそれだと、脂肪分もたくさん摂って好きなだけ食べるんで、超アンコ型になるっていうか、太って階段上るのもしんどくなるんです。肉の種類とかも関係あるんですか?
工藤:Lカルニチンという脂肪を燃焼させる成分が多い赤身肉。牛肉や嫌いじゃなければラム肉の赤身肉がいいですね。
クロちゃん:ラムしゃぶ、めっちゃ行きます。
工藤:じゃあ、サイコーじゃないですか。肉を食べることで、筋肉量が増えるうえにダイエットにもなるんですよ。
クロちゃん:肉を食べればダイエットもできるんですか?
工藤:ぼくが言ってるのは、肉を最初に食べれば、ダイエットになるということです。肉だけを食べ続けるような「肉ダイエット」は脂肪肝で死んじゃう可能性があるので。
クロちゃん:ちょっと急に“死ぬ”ってワードが出ちゃったんだけど!
1週間で7.7kg痩せたケースもある
工藤:テレビ番組の企画で「ミートファースト」を1週間続けた女優さんが、1週間で7.7kg痩せたんですよ。先に肉を食べるっていう決まりだけで。
クロちゃん:運動もしなくてですか?
工藤:運動ゼロです。
クロちゃん:ゼロで?
工藤:ゼロです。「ミートファースト」を上手にやれば確実にダイエット効果があります。
クロちゃん:待って、だから、それ知らなかったんだもん。自分が思ってた概念とぜんぜん違うし。野菜食べて、汁もの食べて、メインの肉とか食べて、米(主食)っていう感じにしろ、って言われてたけど、肉から食べていいんだったら、まるで変わるし。
工藤:新しい概念なので。
「じゃ、野菜は食べなくてもいいということ?」
クロちゃん:はやく言ってよぉ~ん!
工藤:最初に肉を食べるとダイエット効果がある理由が、肉は胃に滞留する時間が長く、炭水化物がはいらなくなるからなんです。腹持ちもいい。さらに、小腸から出るインクレチンというホルモンが、脳に食欲を抑えるよう命令したり、インスリンの分泌を抑えたり、とにかく痩せる方向に働いてくれるんです。ダイエットも、「ミートファースト」がこれからの主流になってくると思います。
クロちゃん:じゃあ、もう野菜食べなくていいですね。よかった大キライだし!
工藤:ただし、ただ単に体重を落としたいのであれば、食物繊維を摂って糖の吸収を抑えた方がいいのでベジファーストも1つの選択肢です。
クロちゃん:けど、基本的にやっぱ野菜好きじゃないんですよね。
工藤:長生きしたくなければ、食べなくてオッケーです。
クロちゃん:えっ!! 長生きしたくなければ?? 待って!! 話が、“死”に変わってるんだけどぉ! なんでぼくの死が近くなるのぉー。
工藤:いや、棚橋さんみたいになりたいんだったら、野菜を食べずに「ミートファースト」をやるのが一番いいんです。
クロちゃん:違うって! だって、棚橋選手みたいになった瞬間に死んだりとかぁ、もう地獄じゃないですかぁー、そんなの。目標達成したから、じゃあ死んでください!ってなんないでしょ! じゃあ、野菜は食べないと死んじゃうんですか。
肉を先に食べたほうが血糖値の上昇を抑えられる
工藤:脂肪を落として筋肉を増やすことだけ考えたら、肉を食べるのは正解です。一方で、肉を食べる量が多い、毎日肉を食べるっていうのは、大腸がんのリスクが上がるなど、別の病気のリスクもあります。総合的に考えれば、もちろん野菜は食べた方がいい。
クロちゃん:やっぱり食べないといけないんですね。でも、今まで普通にやってた、野菜から食べた方が血糖値の上昇が抑えられるよ、っていうのも違うんですね。
工藤:正しい。それも正しい。
クロちゃん:えっ!? 正しいんですか?
工藤:太る原因って血糖値の上昇でしょ。実は、血糖値の上昇を抑えることだけを考えたら、「カーボラスト」が一番大事なんです。関西電力医学研究所の研究でわかったことですが、肉を食べて米飯を食べるのと、魚を食べて米飯を食べるのでは、肉を先に食べた方が血糖値の上昇が抑えられます。さらに、米飯先、肉先、魚先に食べた場合、食後血糖が急上昇したのが米飯。だから、肉を食べてご飯を食べるのがベスト!
クロちゃん:肉を先に食べて血糖値上昇が抑えられるんですか! でも、肉から食べると、ご飯欲しくなるんですよね。
”痩せホルモン”が働き、すぐにお腹いっぱいに?
工藤:それが逆で、先に肉を食べてるから、インクレチン(痩せホルモン)が働いて、お腹が満たされた状態になるので、ご飯の量もそんなにいらなくなるんですよ。
クロちゃん:肉を先に食べるって、肉全部を先に食べないといけないんでしょー。
工藤:そうです。または、肉8割を食べて、残りの2割と一緒に野菜やご飯を食べる。
クロちゃん:おいしく食べれないなぁー。肉も、肉についてるソースも、ご飯と一緒に食べたいですからね。
工藤:それなら、初めのひと口を肉から始める、っていうのでもいいですよ。先に肉を食べることがきっかけで食事量は減りますから。
クロちゃん:インクレチンが出て満腹になるからってことですよね。やったことなかったなぁ。
工藤:ぼくの「ミートファースト」っていう電子書籍が今、無料キャンペーン中で0円で買えますよ。
クロちゃん:キャンペーン? 無料? 値段おかしくないですか?
工藤:みんなに知ってもらいたいと思ってですね。50ぺージぐらいの本なんで簡単に読めるし、ぼくの文章力もすばらしいので。
クロちゃん:あれっ? 誰にも有無を言わせないやつ? も~、結局、本の告知じゃないですか! ぼくの体のことももっと考えてくれなきゃ嫌だし~!(次回に続く)
お笑い芸人:安田大サーカス クロちゃん
タレント。1976年12月10日生まれ。広島県出身。趣味・特技はピアノ、社交ダンス、詩を書く、アロマ、カポエイラ。『熱血BO-SO TV』(千葉テレビ)、『オレたちやってマンデー』(MBSラジオ)、『クロちゃんのもっと海パラダイス!』(海日和×ジャンバリTV)、『クロちゃんのアイドル紹介するしん!』(K’sStation)、現在放送中。オフィシャルブログ『クロちゃんのアロマ研究所』https://ameblo.jp/kuroaroma-dayも好評。
医師:工藤孝文さん
福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、大学病院、地域の基幹病院を経て、現在は、福岡 県みやま市の工藤内科で地域医療を行っている。ダイエット外来・糖尿病内科・漢方治療を専門とし、『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)減量外来ドクター、『ガッテン』(NHK)『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)漢方治療評論家・肥満治療評論家など、メディア出演多数。日本内科学会、日本糖尿病学会、日本東洋医学会、日本肥満学会、日本抗加齢医学会、日本女性医学学会、日本高血圧学会、日本甲状腺学会、小児慢性疾病指定医。
撮影/浅野剛
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