世界で最も短いと言われている日本人女性の睡眠時間。睡眠には“ゴールデンタイム”があり、午後10時~午前2時の間に眠ると成長ホルモンの分泌が活発になる──そんな“定説”に則り、あわてて布団に入る人もいるだろう。一見理想の睡眠に思えるが、適正な睡眠時間は、人それぞれ違っていると言えそうだ。
ゴールデンホルモンに成長ホルモン説は本当?
実は、この時間を外して眠りにつく天才たちも多い。例えば脚本家の橋田壽賀子さん(95才)は、午前0時頃から脚本の執筆を始め、午前3時に就寝するというが、体調や能力に差し障りはないのか。1万人以上の睡眠の悩みを解決してきた快眠セラピストで睡眠環境プランナーの三橋美穂さんが指摘する。
「ゴールデンタイムに成長ホルモンが出るというのは都市伝説です。深い睡眠が取れていれば何時でも成長ホルモンは分泌されるので、寝る時間は関係ありません」(三橋さん・以下同)
◆黒柳徹子、有森裕子ら深夜に活動する人も
橋田さんのように深夜に活動する人は意外と多い。黒柳徹子(87才)は午後10時に寝るが、午前2時に起きて仕事をしてから、朝5時にふたたび眠りにつくという分割睡眠を取っている。
また、女子マラソン五輪2大会連続メダリストの有森裕子さん(53才)は、試合前は午前2時に起きてウオーミングアップすることをルーティンとしていた。
「大成する人は、自分がいちばんパフォーマンスを出せる睡眠方法をわかっているのでしょう。ただし、質の高い睡眠を取るためには1回の長さも必要。一般の人に分割睡眠はおすすめしません。
また、明け方には浅い睡眠であるレム睡眠が出やすくなりますが、寝てすぐにレム睡眠が多くなると熟睡しづらいため、できれば午前0時頃には布団に入っていることをおすすめします」
昼寝でパフォーマンス向上の効果
忙しくて充分な睡眠時間を取れない人には、昼寝もおすすめだ。
睡眠不足を補うために、「移動中のタクシーの中で仮眠を取る」というデザイナーのコシノジュンコさん(81才)や、睡眠時間が短い代わりに「毎日昼寝をする」という橋田さんのように、昼寝が習慣となっている人も多い。進化論を唱えたダーウィンも、毎日の昼寝を欠かさなかったという。
銀座内科・神経内科クリニック院長の霜田里絵さんは、「昼寝はうまく取り入れれば日中のパフォーマンスがぐんと上がる」と主張する。
「よく“物忘れが激しい”と外来に来る人がいますが、原因のほとんどは睡眠不足。NASAの研究によれば、昼間に26分の睡眠を取れば、認知能力が34%、注意力が54%上がるとわかっています」(霜田さん)
◆昼寝にベストな時間帯は?
また、昼寝をするなら正午から午後3時までの間がいい。
「遅い時間の昼寝は夜の睡眠に悪影響を及ぼします。また、30分以上眠ってしまえば深い睡眠に入ってしまい、目覚めがすっきりしない。昼寝の直前にコーヒーを飲んでおくとさらにいい」(三橋さん)
カフェインの覚醒効果が表れるのは飲んでから20~30分後。ちょうどすっきり目覚められるというわけだ。
※女性セブン2020年11月19日号
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