梅雨が明け、本格的な夏が到来。熱中症対策にも、毎日エアコンをフル稼働しているご家庭も多いでしょう。
ただ、気になるのがフィルターなどのお手入れ。サボると冷房の効きが悪くなり、コスパもダウンします。今はフィルターの自動掃除機能がついたエアコンは多いですが、その中でもおすすめは――? 家電ライターの田中真紀子さんは、フィルターの自動お手入れだけでなく、カビ菌まで除去してくれる富士通ゼネラルの『ノクリアSV』シリーズが「今までにないエアコン」としてイチオシだそう。
狭い部屋でも圧迫感が和らぐ70cm未満の横幅&ファブリック調デザイン
まず目を引くのが、画期的なデザイン。
『ノクリアSV』シリーズは、横幅が69.8cmと業界最小。一般的な家庭用エアコンは78~80cmのため、横幅は約10cmもスリム化され、畳数の狭い寝室や子供部屋に設置しても圧迫感が低減されます。
「我が家では昨年モデルを寝室で使っており、1年が経過しました。まず気に入ったのは、今までにないファブリック調の質感と丸みを帯びた柔らかいデザイン。10年以上使用したプラスチックの塊のようなエアコンから変えたため、見違えるようにおしゃれになりました。
同じ白でも、インテリアに調和する上品な白で、ファブリック調の柔らかいデザインが寝室の雰囲気にマッチします」(田中さん・以下同)
カビ菌を除去する機能と寒くならない除湿運転で、年中清潔&快適
コンパクトながら、「フィルター自動おそうじ」機能を始め、手間なく清潔に使える機能も充実しています。お手入れの手間が激減するのは、多忙な家庭だけでなく、高齢者世帯にも大助かりです。
中でも注目すべきは、カビ菌や細菌を除去する「熱交換器加熱除菌」機能。
「通常、冷房運転を使用した後、そのまま放置しておくと、内部が高温多湿になってカビ菌が繁殖しやすくなります。それが『ノクリアSV』シリーズは水分を55℃以上に加熱し、お湯の力で除菌する『熱交換器加熱除菌』機能で、カビ菌の繁殖を抑えてくれるのです。さらにフィルター掃除も自動なので、定期的に行ってきたお手入れの手間が軽減されるのは、嬉しいですよね」
なお、多くのエアコンでは「除湿」機能を使うと、冷房のように室内の温度まで下がってしまいますが、本モデルは、「冷やす」と「暖める」を同時に行う「再熱除湿」機能を備え快適性を保ちます。
「さらに『さらさら冷房』運転を搭載。設定温度に到達する少し前から、再熱除湿運転に切り替えることで、設定温度到達後に冷房が弱まり、湿気が取れにくくなることを抑えてくれます。そのため、蒸し暑さや肌寒さを感じず快適に過ごせます」
それでは、実際に使用した実感はいかがでしょうか。5つの点でレビューしてもらいました。
【使用感】設定温度到達後も快適が続く「さらさら冷房」で蒸し暑さが解消!
まず、寝苦しい夜を快適にしてくれる「さらさら冷房」機能について。
「エアコンは一般的に、設定温度に到達するといったん冷房運転をやめてしまいますが、湿度が高いとそれだけで蒸し暑く不快に感じてしまいますよね。そこで役立つのが、本モデルの『さらさら冷房』機能。設定温度に近づくと、温度を下げず湿度だけ下げてくれる『再熱除湿』に自動で切り替えてくれるので、しっかりと除湿し続けることができ、蒸し暑さを抑えてくれるのです。おかげで昨年の熱帯夜も快適に乗り切れました」
一般的に再熱除湿は「冷やす」と「暖める」運転を同時に行うため、通常の冷房や除湿運転に比べて電気代がかかってしまう傾向にあります。
「ただし、富士通ゼネラルのエアコンは『再熱除湿』と『ソフトクール除湿(弱冷房除湿)』の切り換え、『さらさら冷房』と『通常の冷房』の切り換えができるので、快適さを優先したい時、電気代が気になる時にお好みに合わせて選ぶことができます。メーカーによっては除湿方式の切り換えができないこともあるので、ここは嬉しいポイントですね」
次に、清潔性で期待が高まる「熱交換器加熱除菌機能」について。一般的なエアコンの加熱乾燥運転ではカビ菌・細菌の“繁殖抑制”しかできないのに対し、本機能は、発生してしまったカビ菌・細菌の“除去”もでき、3日1回程度行うことが推奨されています。
ただし、注意点も。
「『加熱』という名の通り熱交換器を55℃に加熱したお湯の力で除菌するため、運転中はどうしても部屋の温度が上がってしまいます。もともとは部屋に人がいないときに使うことをおすすめしている機能のようなので、外出前や就寝時のリビング、起床後の寝室などタイミングを見計らって使用するといいでしょう」
なお、上位モデルのZシリーズの方は、使う人の生活パターンをAIが学習し、不在時に自動で加熱除菌をしてくれる機能も。予算に余裕があるかたは、Zシリーズを選ぶのもおすすめです。
【手軽さ】自動フィルター掃除機能のおかげでマメに掃除する必要ナシ
少し前まで発売されていたエアコンの多くは、自分でフィルターを取り外し、フィルターに掃除機をかけたり水洗いしたりして、定期的なお手入れをしないとエアコン効率が悪くなるのが難点でした。その点、本モデルは「フィルター自動おそうじ」機能も搭載。
「フィルター自動おそうじでかき出されたホコリは、エアコン内部のダストボックスに収容されます。日常的に人の手で行うお手入れは、このダストボックスを取り外して中のホコリを捨てたり、ダストボックス自体を水洗いするだけ。自力で定期的なお手入れをしなくて済むのは非常にお手軽です」
さらにSVシリーズは、無線LANアダプターを内蔵し、スマートフォンで操作も可能。
「外出先から運転状況を確認したり、ON・OFFができるので、『帰宅前に部屋を冷やしておこう』なんてこともできちゃいます。スマートスピーカー対応なので、声で『つけて』『消して』などと操作できるのも、非常に便利です」
【時短】日常のお手入れがなくなり、掃除時間が短縮
定期的に行ってきたフィルター掃除が不要になっただけでも、家事の時短効果は高いといいます。
「今後は熱交換器加熱除菌機能が、どれぐらいカビを抑えてくれるかが楽しみです」
【コスパ】エアコン効率がUPし、年中快適度が増すと考えればコスパ高
価格は、税込みで約12万3000円(6畳用、実勢価格)から。
「本シリーズのグレードは、ミドルクラスの中の上位寄り。ミドルクラスのわりに高性能かつデザインもおしゃれなので、コスパ視点で考えるのは難しいと思いますが、個人的にはほかにはないデザインが部屋の雰囲気を爽やかに変えてくれますし、猛暑日も快適に過ごせました。値段なりの価値はあると思っています」
また、お掃除代や電気代も多少抑えられるかもしれません。年1~2回エアコン掃除のプロを呼んでいたかたにとっては、カビ菌を除去する機能があれば、その外注費が軽減しそうです。
電気代でいえば、再熱除湿によって一般的に電気代がかかってしまう傾向にあるのは先に述べたとおりです。ただ、フィルター掃除をしてくれる点では冷暖房の効率がUP。また、オートセーブ機能により、他のお部屋に行く時などはセンサーのチェックで自動で節電運転に切り替わること、外からもON・OFFができるため、少なくとも消し忘れによる無駄な電気代が抑えられることは期待できるでしょう。
【意外性】ファブリック調のデザインが画期的
意外だったのは、やはり従来のエアコンではなかった、ファブリック調のデザイン。
「富士通ゼネラルはその後、クラフトデザインシリーズとして上位のZシリーズにも陶器調のデザインを採用しており、こちらも素敵なので、このシリーズをぜひ増やしていってほしいですね」
熱帯夜の8月までもう間もなく。買い替えるなら、即検討を!
【DATA】
富士通ゼネラル『ノクリアSVシリーズ』
販売価格:約12万3000円(税込・6畳用、2021年製)※7月15日時点の実勢価格(編集部調べ)、別途工事費など
販売場所:家電量販店、楽天市場やAmazonなどのECサイト、ほか
https://www.fujitsu-general.com/jp/products/aircon/2021/lineup/nocria-sv/index.html
教えてくれたのは:家電ライター・田中真紀子さん
白物家電・美容家電を専門とするライター。雑誌やウェブなどの多くのメディアで、新製品を始めさまざまな家電についてレビューを執筆している。ブログ(https://ameblo.jp/makiko-tanaka89/)
取材・文/桜田容子
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