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プロが指南するオンライン会議のマナー|ちょっとした一言、仕草で好印象を与えるテクニック

リモートワークが進み、オンラインで打ち合わせや会議をする企業も増えてきました。仕事の会議、地域コミュニティーや趣味の活動での会議など、友人同士のトークよりややフォーマルな集まりになったとき、どんなことに気を付けるべきでしょうか。

オンライン会議中の女性
大人女性が知っておきたい「オンライン会議でのマナー」とは?(Ph/Photo AC)
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そこで、今回は大人女性が知っておきたい「オンライン会議でのマナー」を、マナーコンサルタントの西出ひろ子さんに伺いました。

カメラは目線の3~5cm上に設置

西出さんは、オンライン会議を主催したり参加したりする場合には、まずIT環境をチェックするべきだといいます。

「インターネット回線やパソコンが、ビデオ通話のやりとりに耐えるかどうか確認しましょう。コロナ禍が収束したとしても、全てがコロナ禍の以前の状態に戻るわけではなく、オンラインでのコミュニケーションは続くはず。可能であれば、状況に応じて、パソコンを買い替えるなどの投資をしてもいいかもしれませんね」

また、カメラ位置を調節することで、礼儀正しいイメージや誠実なイメージを演出できるのだとか。

少し上から撮ることで小顔効果も

「ノートパソコンや、デスクトップパソコンのモニターをただ机に置いた状態で会議に臨むと、付属のカメラが自分の顎より下に来る人が多いのではないでしょうか。下からあおって撮ると、あまり美しく映らなかったり、やけに生々しく映ったりします。カメラは目線より3~5cmほど高い位置に来るように、台や外付けカメラを使って工夫してみるとグッと見え方が変わりますよ。

また、カメラにあまり近づきすぎないことも大切です。顔が画面いっぱいに映ると、プライベートでのオンライン交流の場と感じる人もいます。オンライン会議の場合は、ビジネスの場であることを認識してもらうことも大切です。テレビのニュース番組や情報番組に似たアングルで映すほうが、相手にとって見やすい映像になります。少し上から撮ると、小顔効果も期待できますよ」

姿勢や仕草、アングルは「テレビ」を意識する

今の40代以上は、他人の顔を画面で見る経験を、オンライン会議システムよりも圧倒的にテレビでたくさんしてきた世代です。そのせいか、テレビにないアングル、距離感、仕草には引っかかりを覚えがち。会議にはその会議の目的があるので、そうした悪目立ちポイントをつぶしておくと、快適な会議のムードがつくれるそうです。

リモート会議中の女性
オンラインでは姿勢も大事(Ph/photoAC)
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「座り方は、頭から腰までをまっすぐに。足はつま先もかかとも床に着けた状態で、膝が直角に曲がるように座りましょう。そうすると、イスの座面の半分より前に、浅く腰掛けることになります。この姿勢で上半身がカメラに映るようにすると、相手にとってはいい意味で“気にならない”映り方になるはずです」

オンラインでのおじぎで意識すべき点とは

映り方を大切にする意味で、おじぎをするときにもオンラインでは、オフラインのときには気にしない点を意識することも必要だという。

「オンラインの場合は、頭頂部が相手の画面いっぱいに映るのは見栄えが良くないので、おじぎをするときは、頭頂部をカメラに向けないように意識するといいですね。そのためには、画面から適度に離れた位置に座り、頭上から腰をまっすぐにしたまま、腰のみ前傾させること。それで気持ちが伝わりますし、見え方もうやうやしいものになります」

装いはTPOに合わせて!背景のバランスに注意を

服装や髪型、メイクなどは、相手との関係性や、ビジネスの場合は業界や企業のムード・慣習にもよるので、一概には言えないところです。

「例えば、パートナーの実家へオンライン帰省するようなときは、ご高齢のお義父さまやお義母さまを元気づける意味で、明るい色や、ちょっと華やかなデザインを取り入れるのもいいと思います。ビジネスで誠実そう、信頼できそう、というイメージを持たれたい場合は、紺や黒、白などでまとめるといいですね。

よく、黒は顔が暗い印象になるからNGと言われがちですが、背景が白であれば、黒でも問題はないと考えています。むしろ、キリッと感が出ます」

清潔感溢れる爽やかな色がおすすめ(Ph/Photo AC)
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服装と背景のバランスも考えて

ここで気を付けたいのは、背景とのバランス。

「背景が白っぽい場合は、ジャケットを紺にして、インナーを白に。背景が濃い色ならジャケットを白にして、インナーを黒や紺にすると、見やすいです。暗い色目を着用するときには、地味になりすぎないように、耳や首元のアクセサリーで明るさを足し引きするといいでしょう」

「お水どうぞ」「メモ取ります」、不安なくす一言を

会議中に水やお茶を飲む場合、カメラをオフにするのも“引っかかり”をなくすコツ。

「水分補給を我慢する必要はありません。ただ、ビジネスのオンライン会議では飲み物を飲む姿は映さないほうがキレイです。画面共有で資料が映っている間などを利用し、自分のカメラがミュートになっているのを確かめて飲みましょう。

あなたが会議メンバーの中で立場が上だった場合は、『皆さん適宜、水分補給しながら進めましょうね』と一言入れたり、あえて自分が飲み物を飲む姿を見せたりしてもいいですね」

相手を不安にさせない心遣いこそがマナー

言わずにモヤモヤの原因をつくるより、言えることはどんどん口にすることを推奨したいと西出さんはいいます。

「例えば、会議中にメモを取る人は、視線が何度も下へ行きますよね。それなら『今日はこれでメモを取りながら進めさせていただきます』とノートやガジェットをあえて見せるんです。『見える化』ならぬ『見せる化』することで相手は安心します。そうすることで『失礼だと思われていないかな?』と心配しなくて済むし、相手も『ちゃんと聞いてくれているのかな?』と不安にならずに済んで、会議の中身に集中できます。

相手を不安にさせない心遣いこそがマナーです。そこから互いのハッピーが生まれます。相手の立場に立つちょっとした気遣いからオンラインでの会議も気持ちよく充実したものにしたいですね。

◆教えてくれたのは:マナーコンサルタント・西出ひろ子さん

西出ひろ子
マナーコンサルタント・西出ひろ子さん
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ビジネススタイリスト・マナーコンサルタント・美道家。HIROKO MANNER Group代表、ウイズ株式会社代表取締役会長。一般社団法人 マナー教育推進協会 代表理事ほか。大妻女子大学文学部国文学科(現・日本文学科)卒業後 国会議員などの秘書を務めたのち独立。あらゆるマナーに精通するマナーコンサルタントとして、名だたる企業300社以上のマナーコンサルティングやマナー研修を行う。NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』、映画『るろうに剣心 伝説の最後編』などのマナー指導やマナー監修も務める。テレビ番組におけるマナー指導などメディア出演は700本を超える。著書は『ビジネスの基本とマナー』(学研プラス)他、最新刊『マナー講師の正体 マナーの本質』(アドレナライズ)も好評。2003年12月以来、海外を含め95冊以上を出版している。https://www.withltd.com/

取材・文/赤坂麻実

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