3年ぶりとなる「外出自粛要請なし」のゴールデンウィーク(GW)が終わろうとしています。今年は間に1日ずつ平日が挟まることもあり、遠方への旅行をあきらめた人も多いのではないでしょうか。久しぶりの旅行を満喫した人もできなかった人も、心配はご無用。1980〜1990年代のエンタメ事情に詳しいライターの田中稲さんがアテンドする「歌で楽しむ妄想海外旅行」が始まります。
* * *
今年のGWは皆さま、どう過ごされたでしょう。最長で10連休。長い……!
存分に楽しみ余韻に浸っている方。仕事びっしりだった方、不安要素が多いご時世ゆえ旅行を断念した方。すべての方に、ひとつご提案!
「ちっ、休みが終わっちゃうよ」というユウウツ気分を吹き飛ばすため、「懐かしの歌謡曲で妄想海外ツアー」に出てみませんか。
数々のアーティストが、様々な国の風景を情緒豊かに歌ってくれている。これに乗らない手はない。そう。素晴らしい歌声は「無形飛行機」なのだ!
ということで、いざ心の翼の用意を。集合場所は、中森明菜さんの『北ウイング』で! 北ウイングは成田国際空港第1ターミナルの北部分の呼び名。ちなみに、この歌が発売された1984年、成田国際空港はまだ「新東京国際空港」という呼称だったそうだ。
『北ウイング』が名曲なのはもちろん、中森明菜さんは今年デビュー40周年。最高にドラマチックな旅立ちができそうではないか!
しかし妄想とはいえ海外旅行は緊張する。愛はミステリーだが、旅も本当にミステリーだ。方向音痴の私は、スマホに表示したマップの進行方向がわからず、その場でグルグル回り気分が悪くなることもしょっちゅうである。そのため今、妄想旅行なのに「迷わないだろうか」と緊張している!
「実は自分も旅の前は腹が痛くなる、熱が出る」という方、了解。旅立つ前に1979年に大ヒットした能勢慶子さん『アテンション・プリーズ』を共に聴きましょう! 彼女のあどけない歌声が心を癒してくれる。
アテンション・プリーイーイーイーズ……。肩の力を抜いて、いざ離陸!
空旅にハマるサーカスの『アメリカン・フィーリング』
飛行機に乗る高揚感と爽快感、新たな地への希望。それを全て余すところなくイメージできる歌といえば、やはりサーカスの『アメリカン・フィーリング』(1979年)だろう。「アメリカ」とあるが、アメリカ以外のあらゆる類の空旅にバシッとハマる。とにかく気分が良くなるので酔い止めとしても効果大だ。そのくらいサーカスのコーラスと、飛行機の窓から見える空との相性は抜群である。
また、航空会社は限定されるが、1991年にJALのイメージソングとしてヒットしたKATSUMIさんの『It’s my JAL』はテンションが上がる。吹くのはバブルの風! 艶やかな歌声は聴いているだけで、エグゼクティブシートでシャンパンを飲みながら旅行をしている気分になれる。