言葉は言い方ひとつでプラスにもマイナスにもなります。よかれと相手の間違いや失敗を指摘しても、言いかた次第では傷つけてしまうことも…。『「ふつうの人」を「品のいい人」に変える 一流の言いかえ』(光文社)を上梓したマナースクール代表の諏内えみさんに、相手を傷つけない言い方の工夫を教わりました。
相手を傷つけない、周囲に迷惑をかけない言い方
貸していたものを返してもらいたい、自分の指定席に他人が座っている、という状況になることがあるのではないでしょうか。自分が悪いわけではないのに、相手に言いづらいものです。相手を傷つけない品のいい言葉とは。
「相手の間違いや失敗を指摘する場合に大切なのは、直接的な言葉を使わないことです。“もしかしたら”“私も間違っているかもしれないけど”“いま気づいたのだけど”とクッション言葉を添えることで、相手の羞恥心を最低限に抑えることができます」(諏内さん・以下同)
ケース1|返却の催促をする場合
貸したものがなかなか返ってこないとき、催促すると相手に悪いような気になります。しかし、そんな気持ちを言葉にしてはいけません。
◆「あの、言いにくいのですが…、先日お貸しした本、もう返してもらえますか?」→【品のいい言いかえ】「先日、○○の本をお貸ししたのって□□さんでしたっけ?」
「“申し上げにくいのですが…”と切り出すと相手は恐縮してしまい、すまなそうなお詫びの言葉が返ってきたとしても、気まずい雰囲気になってしまうこともあります。そんな場合はたった今思い出したような伝え方をすると、根に持っているイメージを与えないので、相手にプレッシャーを感じさせません」