あと1か月も経てば冬のボーナスが支給される時期。ボーナスが支給されたらどんなふうに使う予定ですか? 受け取ったボーナスをある程度自由に使える人もいれば、あっという間に支払いで消えてしまう家庭もあるでしょう。「ボーナスの使い方を見直すことで余分な年間支出が減り、お金が貯まりやすくなる」と語るのは、生活コスト削減コンサルタントの生方正さん。賢いボーナスの使い方について聞いてみました。
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ボーナスの賢い使い方は?
社会人になってから定年するまで約40年間。年2回ボーナスが支給されたら、かなりの額になります。このボーナスを「今年は旅行支援があるから家族でお出かけ」などと、その場の思いつきで使ってしまうか、「毎回〇割は貯蓄にまわし、残りを好きなことに使おう」と決めておくかで、その後の家計資産に大きな差がつきます。
ボーナスを使うにしても貯めるにしても、自分なりのルールを決めておくと満足度の高い使い方ができるようになります。
ボーナスは臨時支出+貯蓄にまわす
ボーナスが支給されたら、冠婚葬祭費や家電の買い替えなど半年先の急な出費に備えるために、一定額を取り分けておくと安心です。
成人前の子供を養っている家庭は3分の1を目安に貯蓄しておくといいでしょう。可能であれば、半分を貯蓄にまわせたらいいですが、現実的には厳しい家庭も多いことと思います。無理をして生活が窮屈になるくらいであれば、貯蓄にまわす額を減らしてゆとりのある生活をしたほうが豊かな暮らしにつながるでしょう。
ボーナスを全額貯金するのはいいこと?
「ボーナスを受け取ったら全額貯金する」という人もいます。貯金をする場合、明確な目標や使う目的があればいいのですが、「お金は貯めておかないと不安」という漠然とした思いで貯金だけしていると、いくらお金が貯まっても不安は解消されないまま。せっかく貯めたお金が“死に金”になってしまいます。
やはり、いくら貯蓄に回し、いくら使うのかというルールを持つことが大事です。「家計は順調に回っていて、ボーナスを使っても問題ない」という家庭は、貯蓄額を取り分けた残りで「家族旅行に行き楽しい思い出を作る」「普段はいかないような高級レストランで食事を楽しむ」といった体験にお金を使うのもおすすめです。
実はキケン!?「ボーナス一括払い」
大型家電製品、住宅ローンや自動車のローンなど、ボーナスが支給されることを前提に返済を組む人もいます。しかし、ボーナスをあてにした支払いを続けると、思わぬところで落とし穴にハマる可能性があります。
「ボーナス一括払い」はリスク大!
そもそもボーナスが支給されるのは会社の業績がいいときであり、毎回確実に支給されるとは限りません。そのため「ボーナスはもらえたらラッキー」と考えておいた方がいいでしょう。クレジットカードの「ボーナス一括払い」を利用するときは、ボーナスが支給されなくても支払える範囲の利用に抑えておきましょう。
毎月の家計を黒字化させる
「ボーナス一括払い」をあてにしないためにも、毎月の収支を黒字化させることが大切です。まずは自分が何にいくら使っているのか、どこに無駄が潜んでいるかお金の流れを把握するため、家計簿を1か月つけてみましょう。
家計簿はノートに書いてもいいし、銀行や証券、クレジットカード、QRコード決済などの支払いが一括管理できる家計簿アプリ「マネーフォワード」などを使うのもおすすめです。
構成/間野由利子
◆教えてくれたのは:生活コスト削減コンサルタント・生方正さん
うぶかた・ただし。明治大学サービス創新研究所研究員。高校卒業後に海上自衛隊に入隊。勤務の傍ら節約術を駆使しながら、国内株式、金の現物買い、在日米軍に対する不動産投資などを行い、40代で2億円の資産を築いた。現在は生活コスト削減コンサルタントと南極講演家として、メディアで活躍中。著書に『高卒自衛官が実現した40代で資産2億円をつくる方法』(あさ出版)、『攻めの節約』(WAVE出版)など。
構成/間野由利子