
食事のタイミングが乱れているとき、また無性に甘いものが食べたくなったとき、どうしてもすぐに食べられるスナック菓子などを選択して、「間食」してしまったことの罪悪感にかられてしまう――。そんな経験はないでしょうか。けれど、しっかりとした知識を身につけ正しい選択ができるのならば、むしろ「間食」は取り入れるべきとも専門家は考えます。今回は、体重78kgから1年間で24kgのダイエットに成功、その後、トータルダイエットカウンセラーとして活動し現在ヘルスフードサイエンス研究家として活動中の大西ひとみさんに、簡単に作れるギルトフリースイーツとおつまみを教えてもらいました。

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ちぎってオーブンに入れるだけ!ポテチのような「ケールチップス」
最近は、ケールもスーパーでもよく目にするようになりましたね。ケールは、野菜にはとても珍しく必須アミノ酸が全て含まれています。また、オメガ6に偏りがちな私たちの食生活ですが、ケールはオメガ6よりオメガ3が多く含まれている野菜でもあります(オメガ6に偏った食生活は炎症作用が出やすくなります)。
ケールの中でも最近よく目にするフリルケールはとても食べやすく、サラダにして食べてもフライパンでさっと焼いてもとてもおいしいのです。
今回紹介するケールチップスは、たまにヘルシーフード系のスーパーなどで売っていますが、ちぎってオーブンに入れるだけで簡単にできるので、ぜひ一度作って見てほしい一品です。私のお気に入りおつまみトップランキングに入るほど。
ケールはアブラナ科のお野菜でもあるので、肝臓のデトックス効果もあり、お酒を飲むかたのおつまみとしてもおすすめです。ポテトチップスのようにカリッと仕上がるので、ケールが嫌いな人にもおすすめです。

《材料》
フリルケール…1袋 塩…適量 オリーブオイル…適量
《作り方》
【1】オーブンを170℃に予熱する。
【2】フリルケールを食べやすい大きさにちぎり、フリルケールの葉全体にオリーブオイルをコーティングするように混ぜたら塩を振りかける。
【3】天板にベーキングシートを敷き、【2】を葉が重ならないように広げオーブンで15分から20分焼いたらでき上がり。※カレー粉やカイエンペッパーなどをふりかけてもおいしい。
完成後は必ず密封性の高い容器や袋に入れて保存してください。パリッとした感じがなくなってしまいます。
超簡単で“ダイエット”が摂れる成分「海苔巻きチーズ」
「海苔巻きチーズ」は、私がすごくお腹が空いたときによく作る間食メニューなのですが、海苔とチーズさえあればできる超簡単レシピです。海苔はカロリーが低く食物繊維が多く含まれているだけでなく、ほかにもさまざまなダイエット効果のある栄養素を含むことがわかっています。
海苔には必須アミノ酸が全て含まれています。また多くのヨウ素が含まれていて新陳代謝を促す作用があるので、ダイエットに効果的ですし、EPA(イコサペンタエン酸)という悪玉コレステロールを減らしたり、肥満の原因である中性脂肪を減少させたりする成分が多く含まれています。「海苔最強!」という感じですね。
ただ食べすぎると血圧が低下しすぎるなどの問題も起きるので注意してください。

《材料》
焼きのり…適量 お好みのチーズ…適量
《作り方》
海苔にお好みのチーズを巻くだけででき上がり。
チーズが苦手なかたは、チーズの代わりにしそとお塩だけでもおいしいです。
甘さを堪能!ギルトフリースイーツ「キャラメルソースヨーグルト」
これは、私が大好きなギルトフリースイーツの1つです。キャラメルソースは砂糖を使わず作ります。キャラメルソースのとろみを出すのにイヌリンを使用しますが、イヌリンはごぼう、玉ねぎ、きくいも、チコリなどに含まれる水溶性食物繊維の一種で、これらの野菜から作られたイヌリンパウダーが市販されています。今回はこのイヌリンパウダーを使ってキャラメルソースを作っていきます。
イヌリンは、水溶性食物繊維で血糖値の上昇を抑える効果や腸内環境を整える効果があります。ヨーグルト(ビフィズス菌)と合わせてとると、短鎖脂肪酸の産生量が増えることが研究で明らかになっています。ちなみに、短鎖脂肪酸は腸内細菌によって作られ、ダイエットにも効果があることで近年注目されています。

《材料》
ギリシャヨーグルト(なければ普通のヨーグルト)…お好みの量 牛乳(もしくはアーモンドミルク)…150ml ラカント…180g 塩…ひとつまみ イヌリンパウダー…70g
《作り方》
【1】牛乳とラカントと塩を混ぜ合わせ、ラカントと塩が溶けるまで湯煎、もしくは電子レンジ(600W)で温める。
【2】イヌリンパウダーを加えとろみが出てきたら、キャラメルソースは完成。
【3】ギリシャヨーグルトをお皿に盛り付け、その上からキャラメルソースをかけたらでき上がり。(※キャラメルソースの材料は1回分ではないので、お好みの量で使ってください)
キャラメルソースは冷蔵庫で保存せず、完全に冷え切ってしまう前にヨーグルトにかけてください。カロリーを気にしないのであればナッツなどと一緒に食べるとより楽しめると思います。
いかがでしたか? 本当に簡単にできるものばかりです。ケールチップスやキャラメルソースは作り置きできるので、時間があるときに作っておくのもおすすめです。間食を上手に味方につけて、楽しく健康的にダイエットに取り組んでいきましょう!
◆教えてくれたのは:ヘルスフードサイエンス研究家・大西ひとみさん

9年間、米ロサンゼルスでパーソナルトレーナーとして活動後帰国。トータルダイエットカウンセラーとして7冊の本を出版、ダイエット商品・食品の商品開発の監修などをはじめさまざまなメディアで活動。2017年に自身のギルトフリースイーツブランド「h+diet(エイチプラスダイエット)」(https://h-plusdiet.com/)を立ち上げ、現在は東京・武蔵小山で『h+diet laboratory』をオープン。野菜を使い、甘味料・人工甘味料不使用、グルテンフリーの「栄養学から考えるオーガニックスイーツ」を販売、他社の商品監修などに携わるなどヘルスフードサイエンス研究家としても活動。
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