女優・大塚寧々さんが、日々の暮らしの中で感じたことを気ままにゆるっと綴る連載エッセイ「ネネノクラシ」。第41回は、お気に入りの「アロマオイル」について。
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アロマオイルが大好きだ。毎日使っている。面白いのは体調によって、好きだった香りが突然苦手になったり、またその香りが好きになったりするところだ。
以前はラベンダーの香りが好きだったが、ある日突然苦手になった。そして数年後にまた好きになった。不思議だ。
友達がアロマの先生なので、色々教えてくれるのでとても助かる。ラベンダーは火傷や日焼けなどの皮膚トラブルにも効くらしい。最近のお気に入りはピューリフィケーションだ。虫除けにも良いらしいが、私は眠る前にも数滴たらす。とにかく、落ち着くのだ。
イランイランやゼラニウムもずっと好きな香りだ。イランイランは以前仕事でマダガスカルに行った時にも購入した。力強いけど、優しさもあって包まれているような安心感がある。腰が痛い時には友達が作ってくれたペパーミントのロールオンが素晴らしくいい。
アロマオイルの自然の力ってすごいなと思う。面白いのは友達と会って話している時に、ふとした会話から「それにはこの香りが良い!」 と友達がバッグから自然にアロマオイルを出してくれる事だ。彼女はいつも数種類(けっこうたくさん!)のアロマオイルを持っている。
その影響か、私のバッグにも二つくらいアロマオイルが入っている。もうお守りのような感じだ。あると安心する。彼女が作ってくれるブレンドのスプレーもとても有難い。仕事などで泊まりの時に、部屋でシュッとスプレーすると気持ちが落ち着く。
アロマの香りでヘッドマッサージ…気づいたら朝だった
先日彼女がヘッドマッサージをしてくれたのだが、その時に目を瞑ってこの香りが好き、今はそうでもないとか一瞬の感覚で使うオイルを決めていったのだが、目を開けていた時に選んだのと微妙に違い面白かった。
そのときは家に泊まりに来てくれていたので、「寝ちゃったらそのままでいいよ~」と言う彼女に、まだ夜も早いし「寝ないから大丈夫~」と言っていたのだが、気が付いたら朝だった。
まるで魔法のようだった。眠くなるとかそういう感覚もなく、本当に気づいたら朝だった感じだ。私はほぼ毎日夢をみるけど、夢もみなかった気がする。深く深く心地よいエアーポケットのようなところで充電したような感じだ。朝目覚めたらすごく元気だった! ありがとう!
◆文・大塚寧々(おおつか・ねね)
1968年6月14日生まれ。東京都出身。日本大学藝術学部写真学科卒業。『HERO』、『Dr.コトー診療所』、『おっさんずラブ』など数々の話題作に出演。2002年、映画『笑う蛙』などで第24回ヨコハマ映画祭助演女優賞、第57回毎日映画コンクール主演女優賞受賞。写真、陶芸、書道などにも造詣が深い。夫は俳優の田辺誠一。一児の母。出演映画『Dr.コトー診療所現在』が公開中。