夏に旬を迎えるズッキーニ。クセのない味わいでいろいろな料理にして楽しめる、暑い時期だけの味覚です。旬の味を楽しむためによりおいしいズッキーニを見分ける方法と、正しい保存方法を野菜ソムリエプロの福島玲子さんから教えていただきました。
* * *
ズッキーニは大きさ・皮・切り口をチェック
ズッキーニは6〜9月頃までが旬の野菜です。かぼちゃと同じウリ科かぼちゃ属ですが、かぼちゃのように寝かせておいしくなる野菜ではありません。よりおいしい、新鮮なものを選ぶためのポイントをおさえておきましょう。
大きい=お得ではない?!太さや重さもポイント
ズッキーニを選ぶときに重要なのが大きさです。30cm以上の長さになったものは育ちすぎです。これは種や綿の部分が成長したためで、食感が柔らかく、大味になっているものもあります。大きいからお得と思って買うと、味に満足できない結果になってしまうかもしれません。
同じような大きさのものを比較するときは、できればずっしりと重みがあるほうを選びましょう。重いほうが、収穫後してから時間が経っていないので新鮮でおいしいといえます。太さは均一ものが順調に成長した証です。
皮の色の鮮やかさと、ヘタの切り口を確認
さらに、表面が鮮やかな色みで、ハリとツヤがあるか確認します。ズッキーニは乾燥に弱い野菜で、新鮮でないものは皮のハリとツヤが失われ、皮と実が柔らかくなります。色味は黄色みがかかっていき、それがだんだん色濃くなり、茶色に変色します。
また、ヘタの切り口がみずみずしいかも見てみましょう。切り口が変色したり、しなびたりしているものは鮮度が落ちているサインなので、避けるようにしてくださいね。
ズッキーニは乾燥を避けて保存!冷凍は加熱後に
水分が抜けると味が落ちるズッキーニは、乾燥が大敵。さらに、温度が低すぎる環境に置いておくと傷みが早くなる傾向もあります。保存のコツを知って、できるだけ長くおいしくいただきましょう。
冷蔵&冷凍保存の正しい方法
ズッキーニをカットせずに保存する場合は、ラップまたはキッチンペーパー、新聞紙などに包んでから野菜室に入れましょう。室温20℃以下の涼しいときは、冷暗所でもOKです。3〜4日程度で食べきってください。
カットした場合は、切り口が乾燥しないようにラップに包んで野菜室に置き、できるだけ早く食べきるか、加熱してから保存袋に入れて冷凍保存しましょう。解凍すると食感が損なわれるので、煮込み料理やスープの具材にするのがおすすめです。
サラダやナムルなど生食にするのもおすすめ
トマトやなすと煮込んでラタトゥイユにしたり、夏野菜カレーの具材にするなど、さまざまな料理に使えるズッキーニ。
それでもレシピに困ったときは、生食にしてみるのもおすすめです。皮を剥かずに食べることもできますが、固さが気になるときは、ピーラーで薄く皮を剥くと食べやすくなります。包丁で皮ごと薄切りにしてもOKです。
塩でもんでやわらかくしてから、サラダやナムルにするとおいしいですよ。カットして半端に余ってしまったときは、保存するよりもこのように副菜として活用してみるのがおすすめです。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ