
暑い季節が旬のオクラは、独特のネバネバとした成分に栄養がたっぷり含まれています。野菜ソムリエプロの福島玲子さんは「実は、オクラにはダイエットや美容効果が高い栄養がたっぷりです」と話します。どんな栄養があるのか詳しく聞くとともに、栄養を逃さないおすすめのレシピも教えてもらいました。
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ダイエットにも美容にもうれしいオクラの栄養
緑黄色野菜のオクラは、低カロリーで低糖質な上に、ダイエットに励むかたにもぴったりの栄養がたっぷりと含まれているんです。
ネバネバがすごい!ダイエット効果のある栄養価は?
オクラのネバネバ成分は、水溶性食物繊維のペクチンによるものです。ペクチンには糖質の吸収を抑えて、血糖値が急上昇することを防ぐ効果があります。血糖値が急上昇すると糖質が脂肪として蓄積されやすくなるので、それを防ぐことがダイエットに役立ちます。食事の最初に食べることで、その後に摂取する糖質の吸収を抑えてくれますので、“ベジファースト”のように“オクラファースト”を心がけるとよいでしょう。

また、糖質や脂質の代謝に必要なビタミンB群の作用で糖質や脂質がエネルギーに変換されるので、太りにくくなりますよ。加えて、ペクチンには腸内の善玉菌を増やす整腸効果があるので、便秘予防にもつながります。
美肌やむくみ予防など、美容に役立つ栄養も
オクラにはβ-カロテンも多く含まれています。β-カロテンは強い抗酸化作用があり、体内でビタミンAに変換されることで、免疫力や皮膚粘膜の機能をサポートしてくれる、美肌効果のあるうれしい栄養です。
ビタミンCも含まれているので、よく知られる風邪予防効果のほかにも、β-カロテンと同じく老化を防止する抗酸化作用もあります。

さらに、体内の余分な塩分や水分を排泄する役割のあるカリウムも含まれています。むくみの対策に効果的で、美容にうれしい栄養です。ストレス性の頭痛や肩こりをやわらげるマグネシウムのほか、ビタミンAやビタミンE、葉酸なども多く含まれています。
栄養を逃さない!「オクラとなすの夏野菜さっぱり和え」レシピ
オクラは水溶性食物繊維が多く、茹でると栄養が流れてしまいます。ですから、オクラは生食がおすすめ。生食がおいしい「オクラとなすの夏野菜さっぱり和え」なら、そうめんや冷奴に添えてもおいしく召し上がれます。冷蔵庫で保存すると3〜4日持ちますので、常備菜としてさまざまな料理と合わせて活用してみてください。

《材料》(4人分)
オクラ…10本 なす…1本 玉ねぎ…1/2個 しょうゆ…大さじ2 酢…大さじ1 みりん…小さじ1 かつお節…5g
《作り方》
【1】オクラのヘタを取り、塩をまぶしこすりながらうぶ毛を取り除く。
【2】オクラは斜め薄切りに、なすは千切りにし、玉ねぎは薄切りにし水にさらしてから水けを切る。すべての野菜をボウルに入れる。
【3】しょうゆ、酢、みりんを合わせて【2】に加え、かつおぶしを振りかけ、よく混ぜ合わせて約1時間味をなじませたらでき上がり。お好みで、大葉やミョウガの千切りを加えてお召し上がりください。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん

ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ