やせる体づくりに重要な「自律神経」と「腸内環境」を整えるために、1日2本のバナナを食べるといいと話すのは、『お医者さんがすすめるバナナの「朝食化」ダイエット』(アスコム)の著者で順天堂大学医学部教授の小林弘幸さん。小林さんが提唱する、朝に1本以上、1日に2本バナナを食べる「モーニングバナナダイエット」と、モーニングバナナダイエットの継続を助ける「クラッシュバナナ」について教えてもらいました。
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朝にバナナを食べる「モーニングバナナダイエット」はなぜいいのか
小林さんが提唱する「モーニングバナナダイエット」では、「朝にバナナ1本以上食べること」と「1日にバナナを2本以上食べること」をルールとしています。
なぜ、朝にバナナを食べるといいのか。それは、バナナに含まれる食物繊維には腸内の善玉菌を元気にする効果があるうえ、バナナはGI値が低く食後の血糖値の急上昇を防ぐ食品であり、二食目以降の血糖値に影響を及ぼす「ファーストミール(1日の最初の食事)」として最適だからです。
バナナなら忙しい朝に簡単に食べられ、胃腸にもやさしい
朝は「交感神経」と「副交感神経」が切り替わるタイミングであるため、自律神経を整えるには、朝食をとることによってその切り替えをスムーズにしてあげる必要があります。バナナは調理不要で食べられるため、忙しい朝でも続けやすいということも大きなメリットです。
「もう1つ加えるのであれば、消化にいいので、目覚めたばかりの胃腸にやさしい食材であるという利点もあります。これは、バナナに含まれるアミラーゼという消化酵素の働きによるものです。『ちょっと体調がすぐれない』というような朝でも、バナナなら食べられる可能性が高まります」(小林さん・以下同)
1日2本のバナナを推奨する理由
胃腸にやさしく、朝食として継続しやすいバナナ。ではなぜ、小林さんは1日2本食べることを推奨するのでしょうか?
「2022年の1月に、順天堂大学漢方先端臨床医学研究室と小林メディカルクリニック東京の共同チームによる実証実験をしました。その結果、バナナを1日2本、2週間食べ続けた成人男女13人のうち、過半数の7人について、腸内の悪玉菌が作り出した『インドール』と呼ばれる腐敗物質が減少し、腸内環境が改善するという効果が確認されました。また、うれしいことに、自律神経が活性化する効果も見られました。つまり、続けやすさと効果の面を鑑みて、朝には必ず1本以上食べる、バナナを1日2本食べるというメソッドになったのです」
さらに、1日2本のバナナを食べることは自律神経を整えることにも効果的なのだそうです。